332 幼保小連携推進協議会 (20240119)

[通算HP閲覧回数 78,317回 (2024/1/19現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼2024/1/16に第4回羽島市幼保小連携推進協議会を傍聴しました。私は、55歳の時に、県教委学校支援課長として「岐阜県幼児教育アクションプラン『ぎふっこ』すこやかプラン」(第一次)を推進していました。プランでは、県内一部市町をモデル地域に指定し、連携組織の設置や幼児と児童との交流の在り方、指導方法の工夫等の実践研究を進めるとともに、その成果の普及を目指していました。しかし、プランがスタートしたばかりだったため、保護者や保育士、幼稚園教諭、小学校教諭の意見がなかなか噛み合わず、担当者と一緒に苦労した思い出があります。
▼幼保小の設置管理は、私立幼稚園は岐阜県知事部局私学部門私立保育園は岐阜県知事部局福祉部門(運営費等の支弁は羽島市市長部局)、一方、市立小学校と市立幼稚園は羽島市教育委員会となっています。設置管理の所管が異なるということは、誰の指導や助言に従うかという運営の根本が異なるということで、いわゆる縦割り行政なので、実務的な連携にはやはり困難を伴います。幼保小連携は、このような縦割りの壁を無くす作業とも言えます。
▼保育園や幼稚園では、3年間かけて幼児を育て小学校へ送り出します。小学校では、受け取った幼児を、児童として6年間かけて育て中学校へ送り出します。そして、どちらも送り出す時点の幼児や児童の姿を、3年間や6年間の成長の姿と捉えていらっしゃると思います。保育園、幼稚園、小学校の関係者の方々は「この子たちの姿を見てください、私たちは頑張ってこんな立派な姿に成長させて送り出していますよ」という誇りをお持ちだと思います。
▼送り出す方と受け取る方という立場の違いによって、通う場所が変わるだけの同じ子供なのに、保育園や幼稚園の関係者は「しっかり成長させて送り出したよ」、受け取る小学校の関係者は「この子達をこれからしっかり成長させるよ」と思っているのですから、ある意味ではギャップが生じても当然では、とも思います。
▼また、小学校へは複数の保育園や幼稚園から来ます。一方、保育園や幼稚園からは複数の小学校へ進みます。そのため、保育園や幼稚園と小学校が連携をするためには、複数対複数の連携が必要になります。そして、カリキュラム上での連携を目指すとなると、前提として、すべての保育園や幼稚園が小学校入学前のカリキュラムをある程度揃える必要がありそうです。しかし、保育園や幼稚園は縦割り行政で所管が別々であり、また経営主体もほとんどが民間なので独自性が尊重されなければなりません。ここにも相互理解のギャップが生じる一つの要因があるのかもしれません。
▼私は、県教委で担当していたときに、これら二つのギャップ(課題)を乗り越えることは容易ではないことを認識して対応してきました。しかし、あれから年月も経ち、羽島市では、相互訪問や連携担当者会議などによる幼保小相互の理解を深める取組が進んでいます。令和6年度は、モデル小学校区における実践を踏まえ、幼保小連携のモデルの作成へと進んでいくようです。モデル作成では、5歳児から小学校1年生の2年間のカリキュラムを開発することになるようです。
▼羽島市の子供たちと保護者が、戸惑うことなく安心して保育園、幼稚園から小学校へ移っていける環境が、できるだけ早期に整備されることを願っています。関係者の皆様、よろしくお願いします。
▼なお、会議冒頭の挨拶で、教育長さんが能登の災害に触れ、ユニセフの「災害時の子供の心のケア」の4項目から「安心感を与える」と「子どもは自ら回復する力があることを理解し、見守る」を、特に詳しく紹介されたのが印象に残りました。

岐阜県幼児教育アクションプラン(改訂版 令4年3月) PDFファイル

331 羽島市長選で思うこと (20240112)

[通算HP閲覧回数 77,772回 (2024/1/12現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼何回もお邪魔した輪島、珠洲、和倉温泉。そこを襲った能登の地震。心を寄せることしかできない自分がもどかしい。しばらく更新をお休みさせていただきました。
輪島の高校の様子はこちらからどうぞ → 県立輪島高校の校長の日記

今年11月には羽島市長選挙が予定されています。現時点ではどのような対立軸での選挙戦になるか不明ですが、政治不信の高まりの中、そして羽島市の厳しい財政状況の中、確かな行政手腕を持つ誠実で勤勉な方に市長になっていただきたいものです。
▼前回の2020/11/29の市長選挙は、美容院経営64歳女性候補を堀、近藤、山田、粟津、豊島、川柳、星野、毛利の各議員が支援し、現職を私と南谷佳、藤川、野口、安井、後藤、原、糟谷、柴田の各議員が支援するという、市議会議員がほぼ真っ二つに分かれた選挙戦でした。( 152 羽島市長選挙は松井市長3選 (20201129) )
▼このような選挙戦になった背景には、市長選挙約2ヵ月前の市長不信任案提出 ( 141 羽島市長不信任決議案が提出されるも否決 (20200926) ) に象徴されるように、羽島市の着実な発展を願う若手の議会改革グループと、市政の主導権を握りたいのかもしれない議長・副議長・議運委員長経験者が名を連ねる長老グループとの、市政への姿勢の違いもあったようです。
▼結果は、松井聡氏が14,716票、沢井幸子氏が7,315票、森功一郎氏が1,606票で、現職の再選となりました。
▼今年11月に予定されている市長選挙でも、昨年12月議会において正統派クラブ、自民クラブの4人の議員から市長不信任案が提出 ( 330 市長不信任案と旧本庁舎解体 (20231223) )されました。再び、若手の議会改革グループとベテランの長老グループの、市政への姿勢の差が明確になる選挙戦になるかもしれません。
▼前回の市長選挙では、市長不信任決議案を提出された議員の方々は、市長選に美容院経営64歳女性候補を担ぎ出されました。今回も再び市長不信任決議案を提出しての市長選挙となりますが、今回こそは、市長へ不信任決議案を突きつけた4人の議員のどなたかが市長選挙へ自ら立候補され、不信任とした市長の政策に対する自分たちの政策を、正々堂々と市民へ説明して11月の市長選挙に臨まれるのが、政治家の道理のような気がするのですが、市民の皆様はどのようにお考えでしょうか。私は、不信任案提出を踏まえた政策論争を期待しています。

 

330 市長不信任案と旧本庁舎解体 (20231223)

[通算HP閲覧回数 77,093回 (2023/12/23現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼2023/12/22に羽島市議会12月議会が閉会しました。最終日は、各議案について、常任委員会での審議の報告、賛成・反対討論、採決などが行われ閉会となります。ところが突然、山田議員、粟津議員、掘議員、近藤議員の4議員から「市長不信任決議案」(議案本文はこちら)が提出されました。

▼「市長不信任案」を可決するためには、出席議員の3/4以上(18人×3/4=13.5人)の賛成が必要です。採決の結果、「市長不信任案」に賛成議員は、提案者の4議員に加え共産党1議員の僅か5議員だけで、3/4に遙か届かない圧倒的な大差で否決され、市長が信任されました。
▼このような結果は「市長不信任案」提出の前から予想できたと思われます。にもかかわらず「市長不信任案」が提出されたことに、市長の市政運営とは別の、何らかの政治的な思惑があるのかも、と感じてしまわれる市民がいらっしゃるかもしれません。
▼この3年間ほどで「市長不信任案」提出は2回目です。前回は2020/9/25で2020/11/29の市長選の2ヶ月前でした。近藤議員、粟津議員、堀議員はその時にも提案者でした。前回の提出時には、ある提出議員が「否決されることが前提のパフォーマンス」と言われ、今回はある提出議員が、これまでの「市長不信任案」の提出回数を自慢げに話していらっしゃいました。
▼もしこのようなお考えで、羽島市への信頼性に非常に大きな影響を与える「市長不信任案」を提出されているとしたらとても残念ですが、さすがに、市民の負託を受けた議員ですから、そんなことはないと思いたいです。
▼「市長不信任案」の提出は、国・県・他市町村、羽島市と関係のある企業などからの、羽島市への信頼を大きく低下させかねません。もしパフォーマンスを目的に「市長不信任案」を提出されるようなことがあるとすれば、市民に多大な不利益を与える可能性が生じることになり、とても残念です。

▼「市長不信任案」提出の主な理由として「市役所旧本庁舎は重要な文化財なので保存すべきでありもっと慎重な議論が必要」や「解体工事費算出が不自然」などが挙げられていました。新聞には「議論していただくために議会に諮った案件。これが不信任の理由になり得るのか、はなはだ疑問だ」という市長コメントが掲載されていました。まさにその通りです。私は、記者が市長への取材結果からにこの部分を切り取ったところに、記者の「市長不信任案を提出した議員に対するある感情」を感じてしまいます。
▼議会では、2023/3/24の3月議会最終日に、「羽島市役所旧本庁舎を早急に解体し市民の命と安全を守ることを求める決議」を可決しています。また同時に解体関連予算も可決しています。議会では慎重審議の結果、2023年3月に旧本庁舎解体方針を決定しています。このような議会の審議、議決に対して「議会の審議不足」などを主張するのであれば、市長ではなく議会に対して「不信任」を主張すべきだと思います。
▼また、「議会の審議不足」などを主張する前に、議会の一般質問や質疑、委員会審議で、市の所見やその根拠となる資料などについて、細かく具体的に問い質すべきと思います。しかし、今議会の一般質問でさえ、旧本庁舎解体を取り上げたのは、発言通告書によると、自民清和会の代表質問、維新の会の代表質問、山田議員だけのようです。「市長不信任案」を提出された自民クラブ(近藤議員代表)や正統派クラブ(堀議員代表)の代表質問の発言通告書には、旧本庁舎解体関連の項目はありませんでした。
「議会の審議不足」などが「市長不信任案」を提出するほどの重大な問題であれば、今議会を含め、今までの議会の一般質問や質疑など、あらゆる機会を捉えて厳しい議論があってしかるべきなのに、それが少なかったのは不思議です。慎重な審議をしていないのは誰なのでしょうか、という疑問を抱く方が出てきそうです。

141 羽島市長不信任決議案が提出されるも否決 (20200926)
290 羽島市役所旧本庁舎の今後 [3月議会一般質問] (20230325)
326 12月議会始まる (20231201)