260 教員採用試験2年連続2倍割れ (20220826)

[通算HP閲覧回数 57,198回 (2022/8/26現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼2022/8/1の岐阜新聞に「小学校教員2年連続2倍割れ(県来年度採用倍率)」の記事がありました。岐阜県公立学校教員採用試験で、小学校の採用予定数265人程度に対し出願者数が519人で、倍率が1.96倍となり、2年連続で2倍を下回ったようです。実際には、他県教員・県職員・民間などと併願していて、採用試験に合格しても最終的には辞退する人がいるので、本当の倍率はもっと低いと思われます。昨年度も、採用予定数295人程度に対して志願者数587人で倍率が1.99倍でしたが(詳しくは 208 教員採用試験 ついに2倍割る へどうぞ)、今年度も連続して2倍を下回りました。教員希望者が2人いれば、そのどちらかは教員になるという状況には、教員の質の確保という面から不安を感じる保護者が多いかもしれません。
▼岐阜新聞の記事によると、県教委は倍率低下の要因として「少子化などにより受験者数が漸減する一方で、定年者の大量退職などにより採用人数が高止まりしている」ことをあげたようです。記事のグラフから判断すると、志願者数は2013年度採用の約2500人から2023年度採用の約1750人へと10年間で約30%減少していますが、主な採用年代である22~30歳の人口も直近10年間で30%も減っているのでしょうか。少子化で受験者数が減ったとするのはちょっと不思議な説明のような気がします。
▼定年者の大量退職による採用人数の高止まりについては、定年退職者数のデータを持ち合わせていないので詳細は分かりません。なお、採用人数は、定年や自己都合による退職者数、欠員補充の臨時採用講師数、政策的な教員定数増減、在校児童生徒数変化による学校数・学級数の増減、35人学級の拡大、将来に向けた年齢構成調整などの要素を総合的に検討して決めるので、採用人数増減の理由を簡単に説明することは困難と思われます。
▼見出しとなった「小学校教員で2倍を2年続けて割った」ことは大きな問題ですが、一番の問題は、2倍を割った主な理由である、教員採用試験の志願者数が直近10年間で約30%も減ったことです。私ならば、見出しを「教員志願者数10年間で30%減、倍率2倍を割る」とでもするところです。このような急激な減少の主な理由は、多くの若者が公立学校教員の勤務条件の厳しさを知るようになり、たとえ教員に魅力を感じていても、自分の生活を守るためにやむを得ず教員になろうとしなくなったことです。
▼全国で2800人の教員不足をNHKが8月2日の夜に報じました( NHKニュース「残業月90時間 学校がもう回らない… 教員不足全国2800人の現実」はこちら )。これも、教員の厳しい勤務環境から教員になろうとする人が少なくなっていることが主な要因のようです。
▼これらのことは、まさに学校の教育水準の持続可能性に危機が訪れていることを示しています。部活動の地域移行では地域には相応しい指導者がいないという課題がありますが、学校にも相応しい指導者(教員)がいなくなってしまうという事態が、今やすぐ目の前に迫ってきているようです。「学校崩壊」の言葉が脳裏をよぎります。このような状態の改善に少しでも力を尽くしたいということが、私が市議会議員に立候補した理由の一つです。しかし市単位ではなんともならないことも多いです。県教委のHさん、Oさん、Kさんの頑張りを期待しています。小中学校の学校運営の改革が急務です。今までの学校文化、教員風土から離れて、全く新しい発想の取組に挑戦してください。手遅れにならないうちに。
▼なお、公立学校教員の年齢構成は「岐阜県教育のすがた」にグラフが掲載されているのでご紹介します。

NHKニュース「残業月90時間 学校がもう回らない… 教員不足全国2800人の現実」はこちら
YAHOOニュース「単なる勤務時間短縮では先生を救えない理由 小樽市立朝里中・森万喜子校長の思う本質は」はこちら
岐阜県教育委員会の教員採用ホームページはこちら
「岐阜県教育のすがた」はこちら
230 教員不足ってどういうこと?
208 教員採用試験 ついに2倍割る

258 江吉良の田中さんがぎふ美術展最優秀賞

[通算HP閲覧回数 56,874回 (2022/8/19現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼2022/8/14の新聞で、江吉良町の田中茂さんが、「第4回ぎふ美術展」で最優秀賞にあたる「ぎふ美術展賞」を受賞された記事を見つけました。最優秀賞、凄いですね。田中さんは我が家のペンキ塗り直し工事をしていただいたペン・テックの社長さんです。
▼「ぎふ美術展」は第4回とあるので歴史が浅そうに見えますが、実際には1946年から2015年まで69回の歴史を刻んだ「岐阜県美術展」(いわゆる県展)が、時代の変遷や表現の多様化に合わせて2018年から「ぎふ美術展」へと衣替えしたもので、岐阜県で最も歴史と権威がある美術展です。(私も県教委教育次長として衣替えの議論に参加しました。)
▼審査員の方々は、田中さんの作品を「大作であり大変な力作である。作品として描き切ったという感があり、宇宙観がある。秀作である。」「子供たちと動物たちの見つめる空の彼方にはなにがあるのか。夢のようでいて冷徹なリアリズムに写実とも超現実とも異なる新時代の息吹を感じた。」と講評されています。
▼伝え聞くところによると、田中さんは「どこか貰ってくれるところに寄贈したいな。市役所とか、文化センターとか、総合病院とか。幼児でも、誰が見ても、足を止めたくなるように描いてあるから」と仰っているようです。市内各小中学校に数ヶ月毎に巡回展示するのも素敵ですね。
▼受賞された作品「唐草黎明期」(写真中央の手を広げているのが田中さんのように見えます)は下の写真。なお、今回のHPやSNSへの掲載について、田中さんにはお話できていません。申し訳ありません。

 

第4回ぎふ美術展 のホームページはこちら

257 水泳でインターハイ出場を激励

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▼2022/8/9に、大垣商業高校山田陽月さん(中島中学校卒)が、羽島市長へ水泳でインターハイへ出場することを報告しました。私は、岐阜県水泳連盟副会長として同行しました。共に羽島市民であり県予選会で山田さんに賞状を渡したご縁です。
▼出場種目は400mメドレーリレーで山田さんは第一泳者の背泳ぎです。水泳は県大会で優勝してもインターハイへ行くことはできず、ブロック大会(岐阜県の場合は岐阜・愛知・静岡・三重が参加する東海大会)で全国共通のインターハイ参加標準記録を突破しなければなりません。山田さんのチームは、7/22の東海大会で、参加標準記録が4分26秒16のところを、4分24秒99と1秒17早く泳いでインターハイ出場権を獲得しました。
▼リレーでは第一泳者の頑張りが次のメンバーに伝わります。次に泳ぐリレーメンバーは電光掲示板に表示されるタイムを見て「いける!」と思って飛び込んでいきます。きっと、キャプテンの山田さんの力泳がチームの力を引き出し、インターハイを引き寄せたことと思います。アッパレ!!!
▼私も水泳部顧問として選手を連れてインターハイへ行ったことがありますが、インターハイは高校生の夢舞台、晴舞台です。チームメイトと一緒に高知で良い想い出を作ってきてください。頑張れー!

221 岐阜県にも屋内50mプールを
187 岐阜県水泳連盟の副会長へ

255 自治体自立塾(片山善博著)

[通算HP閲覧回数 56,093回 (2022/7/29現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼後輩の先生から勧められて「自治体自立塾」(日本経済新聞出版社)を読みました。著者は総務省のキャリア官僚から鳥取県知事、民主党政権で総務大臣を歴任し、現在は慶応大学教授の片山善博氏(1951年生)です。2015年出版でちょっと古いですが、内容は現在も通用します。というか、地方自治の現在の問題点を鋭く指摘しています。
▼著書では『(1)首長を筆頭とする地方自治体は国から自立していない、地方議会は首長から自立していない、教育委員の合議制の会(教育委員会)も国の指示待ちではなく自らが経営する学校現場の課題の解決にもっと主体的に取り組むべき、(2)自治体も地方議会も教育委員の合議制の会(教育委員会)も、決めた結果を丁寧に説明するばかりで、住民や保護者、現場の声をよく聴こうとしない。地方の自立には支えてくれる住民の力が必要。』が基本理念のようです。そして、その具体的な対策として、地方議会の運営や地方議会と首長との関係のあり方、住民参加の方法などが、詳しく提案されています。
▼私が議員になって思ったことと同じ内容もありましたが、新しい視点に気付かされた内容もありました。改めて、私の議会活動の方向性を整理・確認することができました。この本を紹介してくれた後輩に感謝です。ありがとうございます。
▼このような本を著す人、そして大学の研究者、学校の教員など地方行政や学校現場に精通した学識経験者・有識者が、もっともっと地方議会の議員になっていただけると、地方の議会や政治は大きく進化しそうです。後輩よ、議員へ立候補しよう。

250 部活動の地域移行-議会一般質問 (20220624)

[通算HP閲覧回数 54,582回 (2022/6/24現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼ロシアのウクライナ侵略・民間人無差別殺人に厳重抗議し即時撤退を求める。私の心はウクライナの市民や子どもたちと共に。233 ロシアがウクライナを侵略 )
▼2022/6/16の6月議会一般質問で中学校部活動の地域移行について質問しました。( 一般質問の中継録画はこちらへどうぞ )   6月6日にスポーツ庁有識者会議から提出された提言を受けて、羽島市の中学校運動部活動や中学生年代のスポーツ環境の今後について市の方針を尋ねました。( 提言内容のNHK報道はこちらへ )
▼羽島市立竹鼻中学校では、休日の部活動を総合型地域スポーツクラブである「はしまなごみスポーツクラブ」の中学校クラブへ移行し、地域で面倒を見ていただいています。この取組は全国の先進事例であり、メデイアで幾度も報道されています。この取組の成果と課題も質問しました。( 朝日放送テレビの報道はこちらへ )
▼また、提言によると部活動の地域移行は、第一段階は可能な学校から休日の学校部活動を地域部活動へ移行、第二段階は令和7年度末までに全ての中学校で休日の学校部活動を地域部活動へ移行、第三段階は平日も含めて学校部活動と地域部活動が共存、のように進むようです。この第二,第三段階に向けた羽島市の取組についても質問しました。( スポーツ庁有識者会議提言の本文(PDF)はこちらへ ) ( 同じく参考資料(PDF)はこちらへ )
▼さらに、全国中学校体育大会(いわゆる全中)の参加資格が緩和され、令和5年度の大会から、学校部活動単位だけではなく地域スポーツ団体単位(地域部活動)でも参加できるようになります。そうなると、学校部活動と地域部活動が共存する第三段階では、学校部活動はレギュラーや補欠の区別なく部員全員がスポーツを楽しむ活動へと変化し、進路なども踏まえた競技力向上志向・勝利志向の活動は地域部活動が中心となって担うようになりそうです。このことによる中学生年代のスポーツ環境の変化や、羽島市の競技力向上の取組などについても質問しました。( 「全国中学校体育大会への地域スポーツ団体等の参加資格について」(日本中学校体育連盟)(PDF)はこちらへ )
▼なお、一般質問の項目は、①休日部活動地域移行の成果、②同じく課題、③同じく教員の勤務条件、④同じく教育委員の所感、⑤中学校体育連盟主催大会の参加資格緩和、⑥中学生年代のスポーツ環境の整備の6項目ですが、質問と答弁の詳細はこちら(PDF) でご確認ください。

 

南谷清司の今までの議会一般質問はこちらへ
NHK WEB特集 職員室で見る朝焼けに涙して~教員と家族から500件のSOS~