330 市長不信任案と旧本庁舎解体 (20231223)

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▼2023/12/22に羽島市議会12月議会が閉会しました。最終日は、各議案について、常任委員会での審議の報告、賛成・反対討論、採決などが行われ閉会となります。ところが突然、山田議員、粟津議員、掘議員、近藤議員の4議員から「市長不信任決議案」(議案本文はこちら)が提出されました。

▼「市長不信任案」を可決するためには、出席議員の3/4以上(18人×3/4=13.5人)の賛成が必要です。採決の結果、「市長不信任案」に賛成議員は、提案者の4議員に加え共産党1議員の僅か5議員だけで、3/4に遙か届かない圧倒的な大差で否決され、市長が信任されました。
▼このような結果は「市長不信任案」提出の前から予想できたと思われます。にもかかわらず「市長不信任案」が提出されたことに、市長の市政運営とは別の、何らかの政治的な思惑があるのかも、と感じてしまわれる市民がいらっしゃるかもしれません。
▼この3年間ほどで「市長不信任案」提出は2回目です。前回は2020/9/25で2020/11/29の市長選の2ヶ月前でした。近藤議員、粟津議員、堀議員はその時にも提案者でした。前回の提出時には、ある提出議員が「否決されることが前提のパフォーマンス」と言われ、今回はある提出議員が、これまでの「市長不信任案」の提出回数を自慢げに話していらっしゃいました。
▼もしこのようなお考えで、羽島市への信頼性に非常に大きな影響を与える「市長不信任案」を提出されているとしたらとても残念ですが、さすがに、市民の負託を受けた議員ですから、そんなことはないと思いたいです。
▼「市長不信任案」の提出は、国・県・他市町村、羽島市と関係のある企業などからの、羽島市への信頼を大きく低下させかねません。もしパフォーマンスを目的に「市長不信任案」を提出されるようなことがあるとすれば、市民に多大な不利益を与える可能性が生じることになり、とても残念です。

▼「市長不信任案」提出の主な理由として「市役所旧本庁舎は重要な文化財なので保存すべきでありもっと慎重な議論が必要」や「解体工事費算出が不自然」などが挙げられていました。新聞には「議論していただくために議会に諮った案件。これが不信任の理由になり得るのか、はなはだ疑問だ」という市長コメントが掲載されていました。まさにその通りです。私は、記者が市長への取材結果からにこの部分を切り取ったところに、記者の「市長不信任案を提出した議員に対するある感情」を感じてしまいます。
▼議会では、2023/3/24の3月議会最終日に、「羽島市役所旧本庁舎を早急に解体し市民の命と安全を守ることを求める決議」を可決しています。また同時に解体関連予算も可決しています。議会では慎重審議の結果、2023年3月に旧本庁舎解体方針を決定しています。このような議会の審議、議決に対して「議会の審議不足」などを主張するのであれば、市長ではなく議会に対して「不信任」を主張すべきだと思います。
▼また、「議会の審議不足」などを主張する前に、議会の一般質問や質疑、委員会審議で、市の所見やその根拠となる資料などについて、細かく具体的に問い質すべきと思います。しかし、今議会の一般質問でさえ、旧本庁舎解体を取り上げたのは、発言通告書によると、自民清和会の代表質問、維新の会の代表質問、山田議員だけのようです。「市長不信任案」を提出された自民クラブ(近藤議員代表)や正統派クラブ(堀議員代表)の代表質問の発言通告書には、旧本庁舎解体関連の項目はありませんでした。
「議会の審議不足」などが「市長不信任案」を提出するほどの重大な問題であれば、今議会を含め、今までの議会の一般質問や質疑など、あらゆる機会を捉えて厳しい議論があってしかるべきなのに、それが少なかったのは不思議です。慎重な審議をしていないのは誰なのでしょうか、という疑問を抱く方が出てきそうです。

141 羽島市長不信任決議案が提出されるも否決 (20200926)
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