小学校の臨時休校が5月末まで延長されました。休校より学校再開の方がはるかに難しい判断なので、この休校はまだまだ続くような気がします。家庭での望ましい過ごし方、学力低下の防止、子どもと保護者のストレスへの対処などの御相談を頂いています。岐阜新聞が「おうちにいる岐阜のみんなへ」を連載していますが、他新聞等にも参考になる記事がありますので御紹介します。勉強させることよりも、家庭の「時間割」を作ってメリハリのついた規則正しい生活をすることのほうがずっと大切で、学校が再開したときに役立つと思います。 ( HP表示回数 15,179カウント )
「休校中、子どもとどう過ごす?『家庭を学校化』時間割作って」(西日本新聞ニュース2020/4/9から)
新型コロナウイルスの影響で多くの学校の休校が長期化し、自宅で過ごす子どもと保護者の間で「コロナ疲れ」が広がっている。休校中、家庭でストレスをためずに過ごすにはどうしたらいいのだろうか。
子どもの心のケアに詳しい九州大大学院の増田健太郎教授(臨床心理学)は、(1)一日の時間割を作る(2)勉強、遊びなど、家の中を用途によって分ける(ゾーニングする)の2点を提案する。「家庭生活を学校化し、親と子どもが一緒にやることを増やせば、お互いストレスも減り、生活のリズムもできる」
時間割は平日午前8時半から1こま45~50分で作り、各15分の休み時間、昼休みも盛り込む。内容は子どもに決めてもらったり、一緒に考えたりする。体育と家庭科(生活科)の時間は毎日、必ず入れた方がよいという。体育では縄跳びと散歩がお勧め。散歩は携帯やカメラを手に、毎日コースを変えながら、家の周りを45分歩く。「草花の写真を撮り、新しい発見を記録する。歩数計で歩いた歩数を数えるのもいい」
家庭科では一緒に昼ご飯を作ったり、掃除、洗濯をしたりしてもらう。買い物をし、商品の金額をエクセルや家計簿などに入力させる。乳幼児のきょうだいがいれば、育児(きょうだいと遊ぶ時間)の時間を盛り込んでもいいという。
音楽の時間は歌を歌ったり、音楽を聞いたり。図工(美術)では手先を使う粘土遊びやブロック玩具がお勧めで、時間割の中にDVD鑑賞や読書の時間を設けてもよい。「大事なのは休み時間と『帰りの会』の時間。休み時間はおしゃべりし、おやつを食べてもいい。『帰りの会』の時間には一日を振り返り、できたことをきちんと褒める。平日頑張ったら土日は何もせずに自由に過ごしてもいい」
家のゾーニングは、部屋が分けられない場合、養生テープなどで区切ると効果的で「勉強するための机、テレビを見るためのソファ、遊ぶスペースなど、場所の機能化が必要」と言う。
増田教授は「親が何でもして、子どもはしてもらう立場という考え方を変えるいい機会。子どもも家庭を助ける一員だということを理解してもらうことが大切です」と話した。
「臨時休校中の過ごし方 時間割作り生活整える」(中日新聞2020/3/5朝刊から)
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国一斉の臨時休校が始まった。学校の対応は、地域によってさまざまだが、子どもが家で過ごす時間は長くなりそうだ。家で何をさせたらいいか。気を付けるポイントは。小学生の子を持つ親や専門家に聞いた。
◆ゲームは夕方に
小学六年~保育園年長の四人の子どもがいます。休校中は、学校と同じような「時間割」をつくって、課題のプリントをこなしていこうと話しています。家にいるとゲームの誘惑があるので、夕方まで「使用禁止タイム」に設定しました。子どもが通うスポーツクラブも活動休止に。ずっと家にいるのも体に悪いので、二~三人の友達と公園で遊ぶのもいいのかなと。ただ何がよくて、何がよくないかが、分からない。ママ友の間では、簡単にできるレシピを共有して、子どもたちのランチ対策をしています。(愛知県安城市の主婦、45歳)
◆リラックス重視
妻は看護学校に通っており、次男(6つ)と三男(4つ)は保育園に預けます。私はなるべく、小学三年の長男と昼食を食べてから出勤しようと思っていますが、四~五時間は一人で留守番させることになります。この期間に無理に家庭学習をやらせようとは思いません。国語や算数のドリルを何冊か買う程度。それよりも、子どもがストレスをためないように気を配る。近所の広場でサッカーをするなど、親子で体を動かす時間をつくりたい。後は好きな漫画を読んで、リラックスして過ごしてくれたらいいかな。(愛知県瀬戸市の男性教員、38歳)
◆ダンス動画活用
夫は海外に単身赴任中。私が出社する平日は小学四年の息子(10)を近くの実家に預けることになりそう。宿題はすぐ終わる分量なので、一年分を復習できる教材をやらせようと思います。「このページまでやっておいてね」と。あとはテレビゲームかユーチューブの動画でしょう。外出を控えるとなると、仕方ない。ただ、どうせ見るなら、学校で運動できない分、運動不足の解消にも役立てたい。「やせるダンス」という動画がお気に入りなので、もっとやるように勧めようかと。食べ盛りなので、太らないよう
に気を付けたい。(愛知県豊田市の女性会社員、40歳)
◆新聞で漢字の学習
家庭ではどんな工夫ができるだろうか。新聞学習をテーマに講演する家庭教育プロデューサーの酒井勇介さん(57)は「簡単漢字トレーニング」を挙げる。新聞を開き、知っている漢字に丸を付ける。例えば「世界記録更新」なら「せかいきろくこうしん」と読ませ、「『更』と『新』を訓読みすると?」などと質問する。難しい読みは大人が教え、ほかは辞書を引く。「漢字ドリルとは違う勉強になる」と酒井さん。地名を覚える学習も。新聞に出ている新型コロナウイルスの感染地域を調べ、地図や地球儀で場所を確認。「どこに、どんな地名があり、そこはどんなところか」に注目すれば、中学校に進んで地理や歴史を習うようになっても、苦手意識がなくなるという。学習習慣にも気配りしたい。酒井さんは「家庭の時間割」の作成を提案。「大切な時間の使い方を自分で考えるようになる」と話す。例えば、(1)朝食時(2)夕食前(3)寝る前の3パターンを作るとする。忙しい朝は、新聞やテレビのニュースから知らない漢字や言葉を拾い、家族で話す。うれしい出来事も悲しいニュースも「自分がどう思うか」を表現すれば、善悪の判断力を育てることにつながる。後は、学校の宿題や復習、読書を盛り込むなど各自で工夫を。学習時間は「学年×15分」が目安だ。進級に向け、身の回りを整える機会にするのも一案だ。ランドセルの置き場所を決め、勉強机を片付ける。リビングを中心に整えると、親の「〇〇しなさい」はぐっと減るという。
【著作権法上問題があるかもしれませんが、この緊急事態ですのでお許しください。】