304 教員働き方改革を中教審へ諮問 (20230630)

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南谷清司をより深くご理解いただけるよう「プロフィール」を修正しました。

▼2023/5/16に、自由民主党の「令和の教育人材確保に関する特命委員会」が「令和の教育人材確保実現プラン ~高度専門職である教師に志ある優れた人材を確保するために~ 」を発表しました。 ( 自民党 教育人材確保特命委員会 HP はこちらからどうぞ )
▼直後の5/22には、文部科学大臣が「質の高い教員を確保するための総合的な方策」の検討を中央教育審議会へ諮問しました。諮問内容は、(1)公立学校教員の給与に残業代の代わりに上乗せ支給される「教職調整額」の在り方、(2)職務に応じた手当の創設、(3)「勤務間インターバル」の導入、(4)支援スタッフの大幅な拡充のようです。 ( 中央教育審議会のHPはこちらからどうぞ )
▼さらに翌月の6/16には、「教員の処遇改善」を含む「経済財政運営と改革の基本方針2023」(いわゆる「骨太の方針2023」)が閣議決定されました。( 内閣府 骨太の方針2023のHPはこちらからどうぞ )
▼公立小学校教員採用試験の倍率が2倍を割るようになって「でもしか先生」という嫌な言葉が思い出される、教員不足で学級担任がいなくなり授業ができないという話があちこちから聞こえてくる、など義務教育崩壊が目前に迫ってきているとも思える最近の状況です。その中での、一ヵ月の間の、自由民主党、文部科学省、政府の連携がとれた改革方針3連発を見ると、国がやっと重い腰を上げる気配が感じられます。学校の危機が広く報道されるようになった今が、諮問、答申、改善というチャンスなのかもしれませんが、それはそれで政治家のあり方としては情けない気もします。
▼なお、このような改善を実現するには、国費ベースで5千億円の予算増が必要という報道もありました。財務省や国会議員が予算をつけなければ何も変わらないので、前途多難なことは確かなようです。
▼今どき、「残業を月100時間近くしてもらうこともあるけれど、一日20分間相当の固定残業代(一日の勤務時間8時間の4%相当)しか支払いません」というブラック職場へは誰も就職したいと思いませんよね。しかも、昼休みに勤務場所を離れて自由に昼食や休憩をとることは許されず土日勤務の代休もなしではね。ここにメスを入れることは質の高い教員を確保するための必要条件です。外部からはっきりと見える変化がないと、大きな流れを変えることは難しそうです。

中教審「質の高い教師の確保特別部会」の案内・配付資料・議事要旨はこちらからどうぞ(6/26第1回開催・ライブ視聴可)

YAHOO!ニュース 「教員の働き方改革「直ちに取り組む施策」に期待するのは、現場丸投げにならないことだ」 (2023/6/29 前屋毅)

YAHOO!ニュース 「学校と先生の役割とは何か? 機能不全に陥った学校というシステムを再定義する」 (2023/6/28 AERA 藤原和博)

YAHOO!ニュース「残業当たり前と「毎日17時に帰る」先生の決定的差 仕事の生産性向上するにはICTの活用が不可欠」(2023/6/27 東洋経済)

YAHOO!ニュース 「教員不足で尻を叩かれる校長たちは悲鳴をあげている」(2023/6/22 前屋毅)