335 一般質問-集団登下校と教員責務 [R5/12議会] (20240209)

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▼前回に引き続き令和5年12月議会一般質問(2023/12/11)の御報告です。今回は、登下校時の安全確保における教員が担う範囲についての質問の御報告です。
▼令和5年6月議会における同僚議員の質問に対し、「各学校が・・・・比較的安全と考えられる通学路を決定し・・・・教育委員会に報告している。」という答弁がありました。この答弁は学校保健安全法の定めに則った内容ですが、「学校が通学路を決定するのだから、登下校中の対応も学校の業務だろう」という誤解を招くかもしれないと思い、この質問をしました。
▼令和5年9月8日付けの文科省通知「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」では、「学校・教師が担う業務に係る3分類」の徹底を求めています。そしてこの「3分類」では、登下校に関する対応は「基本的には学校以外が担うべき業務」に分類されています。 ( この通知を発出した文科省総合教育政策局長望月禎氏とは県庁で県教育行政の仕事を2年間一緒にしました )
▼つまり、「通学路を決定するのは学校」だけれど「登下校の対応は学校の業務ではない」と国は言っているのです。
▼学校で怪我などをしたときに医療費等が給付される「災害共済給付制度」があります。この制度の対象範囲を「学校管理下」と言いますが、学校の管理監督責任範囲も同じく「学校管理下」と言います。そして、児童生徒の登下校中は「災害共済給付制度」の対象になるという意味では「学校管理下」であり、学校の管理監督責任外という意味では「学校管理外」とされるようです。ややこしいですね。
▼今回の教育長の答弁は次の通りです。『登下校に対する対応については、議員ご指摘のとおり文部科学省の通知において「基本的には学校以外が担うべき業務」に分類されており、通学班による集団登校を行っている本市においては、保護者や地域の見守り隊の方の協力で安全な通学が支えられております。あわせて、学校職員が学校周辺の危険が予測される地点で見守りをするなど、家庭や地域と連携して安全確保を行ってぃるところです。他方、学校は子どもたちに対する安全指導を行う必要があり、通学路の安全確保とあわせ子どもたちへの指導について年間を通して計画的に行っております。具体的には、日常的な指導に加え市の交通安全協会に協力いただき交通安全教室を行うとともに、不審者への対応についても警察と連携して指導しているところです。また集団登校についても、議員のご指摘があった様々な課題や子ども同士のトラブルや事故などがあり、これらも「基本的には学校以外が担うべき業務」に当たりますが、高学年を中心に班長・副班長に対して通学の仕方の指導を保護者と連携して行うなど、引き続き教育的な観点から家庭や地域とともに学校が対応していく必要があると考えます。今後も学校の実情を踏まえ、学校運営協議会等で議題とし協議するとともに、家庭や地域・関係機関と連携しながら子どもたちの安全を見守ってまいります。』
▼学校備品であるウォータークーラーの管理と熱中症対策の一般質問については、次回以降に御報告します。

334 一般質問-農地集約 [R5/12議会] (20240202)

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▼令和5年12月議会一般質問(2023/12/11)の御報告です。今回は農地の集約・集積に向けた「地域計画」「目標地図」策定状況についての質問の御報告です。
▼「地域計画」は、高齢化や人口減による農業者減少や耕作放棄地拡大に対応するため、農作業がしやすく、手間や時間、生産コストを減らすことができる農地の集約化等を、それぞれの地域で実現するための計画です。計画策定者は市です。 ( 「地域計画策定マニュアル」 (農水省 R05/12) PDFファイル )
「目標地図」は、「地域計画」で作成される「将来、地域の農地を誰が利用し、農地をどうまとめていくか」の案を、地図上に具体的にマッピングしたものです。
▼これらの策定状況を問い質したところ、法令で定められた令和7年3月末までの発表に向けて農業の担い手と協議を進めており、令和6年度中に市が策定・発表予定という答弁でした。 ( 農林水産省 「人・農地プランから地域計画へ」 のHPはこちらへ )
▼農地の集約化は地域の強い願いと思われますが、農業の将来に向けた危機感は強いにもかかわらず、集約化実現に向けた盛り上がりはあまり感じられません。その理由は様々あるのでしょうが、このような「地域計画」「目標地図」という市の取組を、地域の農地所有者の多くが御存知ないことも理由の一つかもしれません。一般質問では、農業の担い手だけでなく農地所有者へも広く周知する広報活動の必要性についても議論しました。
▼市へ要望するばかりではいけないので、私としても、地元の方々と一緒に「持続可能な水田稲作についての意見交換会(がやがや会議)」を2月に開催する予定でいます。市の農政担当者にお越しいただいて、地元農地に関する「地域計画」「目標地図」の策定状況など御説明いただくとともに、意見交換の御指導御助言をお願いする予定です。
▼なお、登下校時の安全確保における教員が担う範囲と集団登校の課題、学校備品であるウォータークーラーの管理と熱中症対策の一般質問については、次回以降に御報告します。

 

333 議員研修-住民協働 (20240126)

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▼2024/1/19に海津市議会の議員研修会に参加しました。研修テーマは「住民協働~議員の立場から何をすべきか~」です。講義とグループ・ディスカッションを組み合わせた形式で、日本経営協会の講師である井坂泰茂氏(神戸市生まれ垂井町在住)にご指導いただきました。
▼講義では、住民協働の必要性(背景)として、①行政主導のまちづくりの限界、②住民ニーズの多様化、③人口減少・少子高齢化による自治体の財政難などを挙げられました。
住民協働のメリットとしては、①事業経費の削減、②行政依存からの脱却、③満足度の高い地域づくりなどを列挙されました。
▼また、住民協働の課題としては、①担い手の不足、②住民側の事業遂行能力、③公平性・透明性の確保などを指摘されました。
▼そのような状況を踏まえて、住民協働を促進するための市議会議員の役割は、①専門家・経験者へのヒアリング、②市民団体・住民との意見交換、③議会での質問などであると整理されました。
▼最も重要な、議員は具体的に何をすべきかという点については、議員間のディスカッションに委ねられ、各グループの発表を整理するという形でした。議員によって感じている課題が異なるのですから、それも当然のことでしょう。
▼議論の中で私は、選挙で選ばれた議員の仕事として優先度が高いのは「住民のニーズを把握しその解決策を探ること」であることを確認し、行政では財政難、人手不足などから解決が困難な場合の解決策の一つが住民協働となる、という意見を述べました。
▼さらに、住民協働の促進に取り組む際には、「住民ニーズに応える」ことが第一義的な目的であることを強く意識することが必要であり、行政サイドの狙いや効率性、経費削減などが目的になってしまうと、形式的な住民協働になってしまうのではないだろうか、という疑問も指摘しました。
▼さらに、海津市や羽島市には少子・高齢化が進んだ地域もあり、生涯学習・イベント・子供たちとの触れ合い・地域の助け合いなどにおいて、高齢者の活躍の場を作り出す、つまりは高齢者も巻き込んだ地域の絆づくりの、一つのあり方としての住民協働も考えたい、ということをお話しました。
▼口でいうのは簡単ですが行動することは難しいものです。実際に住民協働に携わっていらっしゃる地域の方々には深く感謝するとともにあらためて敬意を表します。