336 一般質問-学校の子ども用冷水機 [令5年12月議会] (20240216)

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▼前回に引き続き令和5年12月議会一般質問(2023/12/11)の御報告です。今回で最後になりますが、学校の児童生徒用ウォータークーラー(冷水機)の管理と熱中症対策についての質問の御報告です。
▼学校へは、子供たちや教育を大切に思う方々から寄附を頂くことがあり、教育活動の充実のために活用されています。そして、学校は市の機関なので、寄附を受領する場合には市の規則に従う必要があります。これがなかなかに面倒な手続きなのですが、市民への説明責任を果たすためにはやむを得ません。しかし、教員の働き方改革のために、デジタルを活用した透明でありながらも簡素な手続きになると良いな、とも思っています。
学校に御寄附いただいた物品の中に、体育館や児童生徒用玄関、渡り廊下などに設置してあるウォータークーラー(冷水機)がありますが、壊れていて、修理の順番が回ってこなくて、暑い夏に子供たちが冷たい水を飲めなくて困っている、という声を多くの子供たちや保護者、そして先生方からお聞きしました。
▼そこで、寄附を受領する手続きや寄附された物品の維持管理のあり方、さらに寄附された学校備品であるウォータークーラーについて、子供たちの熱中症対策としての修理の優先度などの考え方について質問しました。市の財政は厳しいとは思いますが、今年の夏には、子供たちが学校で不自由なく冷たい水が飲めると良いですね。
▼教育長の答弁は次の通りです。『学校への寄附の現状につきましては、これまで児童生徒の教育環境の充実のために、市内法人からの各学校への防犯カメラの寄附の他、プロジェクタやジェットヒーター等の寄附がございます。また、学校の衛生環境の充実や熱中症対策のため、消毒液スタンドやウォータークーラー等の寄附もいただいております。ウォータークーラーにつきましては、熱中症対策としてこまめに水分補給をすることができ、持参した水筒で不足する水分を補うために設置され有効に活用されております。設置状況につきましては、学校規模等によって設置している基数は異なりますが、1校平均5基程度設置されております。現在、各学校に設置されているウォータークーラーにつきましては、学校の規模や意向を踏まえて市において修繕等の管理をしてまいります。また、増設等につきましては熱中症対策や感染症予防などの状況を踏まえて、調査・研究してまいります。』
▼私が羽島市議会議員に立候補した大きな理由の一つに、「議員になって、市教委が市財政当局から予算獲得しやすいよう側面支援する ⇒ 羽島市の学校教育の発展充実を図る」があります。これは、県教委在職中に、県財政当局との予算獲得折衝を20年以上も繰り返してきて、県議会議員の支援が大きな力になることを身に染みて感じてきたからです。これからも、特に子育て、教育関係の皆様の御指導御支援をよろしくお願いします。

335 一般質問-集団登下校と教員責務 [R5/12議会] (20240209)

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▼前回に引き続き令和5年12月議会一般質問(2023/12/11)の御報告です。今回は、登下校時の安全確保における教員が担う範囲についての質問の御報告です。
▼令和5年6月議会における同僚議員の質問に対し、「各学校が・・・・比較的安全と考えられる通学路を決定し・・・・教育委員会に報告している。」という答弁がありました。この答弁は学校保健安全法の定めに則った内容ですが、「学校が通学路を決定するのだから、登下校中の対応も学校の業務だろう」という誤解を招くかもしれないと思い、この質問をしました。
▼令和5年9月8日付けの文科省通知「教師を取り巻く環境整備について緊急的に取り組むべき施策(提言)」では、「学校・教師が担う業務に係る3分類」の徹底を求めています。そしてこの「3分類」では、登下校に関する対応は「基本的には学校以外が担うべき業務」に分類されています。 ( この通知を発出した文科省総合教育政策局長望月禎氏とは県庁で県教育行政の仕事を2年間一緒にしました )
▼つまり、「通学路を決定するのは学校」だけれど「登下校の対応は学校の業務ではない」と国は言っているのです。
▼学校で怪我などをしたときに医療費等が給付される「災害共済給付制度」があります。この制度の対象範囲を「学校管理下」と言いますが、学校の管理監督責任範囲も同じく「学校管理下」と言います。そして、児童生徒の登下校中は「災害共済給付制度」の対象になるという意味では「学校管理下」であり、学校の管理監督責任外という意味では「学校管理外」とされるようです。ややこしいですね。
▼今回の教育長の答弁は次の通りです。『登下校に対する対応については、議員ご指摘のとおり文部科学省の通知において「基本的には学校以外が担うべき業務」に分類されており、通学班による集団登校を行っている本市においては、保護者や地域の見守り隊の方の協力で安全な通学が支えられております。あわせて、学校職員が学校周辺の危険が予測される地点で見守りをするなど、家庭や地域と連携して安全確保を行ってぃるところです。他方、学校は子どもたちに対する安全指導を行う必要があり、通学路の安全確保とあわせ子どもたちへの指導について年間を通して計画的に行っております。具体的には、日常的な指導に加え市の交通安全協会に協力いただき交通安全教室を行うとともに、不審者への対応についても警察と連携して指導しているところです。また集団登校についても、議員のご指摘があった様々な課題や子ども同士のトラブルや事故などがあり、これらも「基本的には学校以外が担うべき業務」に当たりますが、高学年を中心に班長・副班長に対して通学の仕方の指導を保護者と連携して行うなど、引き続き教育的な観点から家庭や地域とともに学校が対応していく必要があると考えます。今後も学校の実情を踏まえ、学校運営協議会等で議題とし協議するとともに、家庭や地域・関係機関と連携しながら子どもたちの安全を見守ってまいります。』
▼学校備品であるウォータークーラーの管理と熱中症対策の一般質問については、次回以降に御報告します。

334 一般質問-農地集約 [R5/12議会] (20240202)

[通算HP閲覧回数 78,689回 (2024/2/2現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼令和5年12月議会一般質問(2023/12/11)の御報告です。今回は農地の集約・集積に向けた「地域計画」「目標地図」策定状況についての質問の御報告です。
▼「地域計画」は、高齢化や人口減による農業者減少や耕作放棄地拡大に対応するため、農作業がしやすく、手間や時間、生産コストを減らすことができる農地の集約化等を、それぞれの地域で実現するための計画です。計画策定者は市です。 ( 「地域計画策定マニュアル」 (農水省 R05/12) PDFファイル )
「目標地図」は、「地域計画」で作成される「将来、地域の農地を誰が利用し、農地をどうまとめていくか」の案を、地図上に具体的にマッピングしたものです。
▼これらの策定状況を問い質したところ、法令で定められた令和7年3月末までの発表に向けて農業の担い手と協議を進めており、令和6年度中に市が策定・発表予定という答弁でした。 ( 農林水産省 「人・農地プランから地域計画へ」 のHPはこちらへ )
▼農地の集約化は地域の強い願いと思われますが、農業の将来に向けた危機感は強いにもかかわらず、集約化実現に向けた盛り上がりはあまり感じられません。その理由は様々あるのでしょうが、このような「地域計画」「目標地図」という市の取組を、地域の農地所有者の多くが御存知ないことも理由の一つかもしれません。一般質問では、農業の担い手だけでなく農地所有者へも広く周知する広報活動の必要性についても議論しました。
▼市へ要望するばかりではいけないので、私としても、地元の方々と一緒に「持続可能な水田稲作についての意見交換会(がやがや会議)」を2月に開催する予定でいます。市の農政担当者にお越しいただいて、地元農地に関する「地域計画」「目標地図」の策定状況など御説明いただくとともに、意見交換の御指導御助言をお願いする予定です。
▼なお、登下校時の安全確保における教員が担う範囲と集団登校の課題、学校備品であるウォータークーラーの管理と熱中症対策の一般質問については、次回以降に御報告します。

 

333 議員研修-住民協働 (20240126)

[通算HP閲覧回数 78,496回 (2024/1/26現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼2024/1/19に海津市議会の議員研修会に参加しました。研修テーマは「住民協働~議員の立場から何をすべきか~」です。講義とグループ・ディスカッションを組み合わせた形式で、日本経営協会の講師である井坂泰茂氏(神戸市生まれ垂井町在住)にご指導いただきました。
▼講義では、住民協働の必要性(背景)として、①行政主導のまちづくりの限界、②住民ニーズの多様化、③人口減少・少子高齢化による自治体の財政難などを挙げられました。
住民協働のメリットとしては、①事業経費の削減、②行政依存からの脱却、③満足度の高い地域づくりなどを列挙されました。
▼また、住民協働の課題としては、①担い手の不足、②住民側の事業遂行能力、③公平性・透明性の確保などを指摘されました。
▼そのような状況を踏まえて、住民協働を促進するための市議会議員の役割は、①専門家・経験者へのヒアリング、②市民団体・住民との意見交換、③議会での質問などであると整理されました。
▼最も重要な、議員は具体的に何をすべきかという点については、議員間のディスカッションに委ねられ、各グループの発表を整理するという形でした。議員によって感じている課題が異なるのですから、それも当然のことでしょう。
▼議論の中で私は、選挙で選ばれた議員の仕事として優先度が高いのは「住民のニーズを把握しその解決策を探ること」であることを確認し、行政では財政難、人手不足などから解決が困難な場合の解決策の一つが住民協働となる、という意見を述べました。
▼さらに、住民協働の促進に取り組む際には、「住民ニーズに応える」ことが第一義的な目的であることを強く意識することが必要であり、行政サイドの狙いや効率性、経費削減などが目的になってしまうと、形式的な住民協働になってしまうのではないだろうか、という疑問も指摘しました。
▼さらに、海津市や羽島市には少子・高齢化が進んだ地域もあり、生涯学習・イベント・子供たちとの触れ合い・地域の助け合いなどにおいて、高齢者の活躍の場を作り出す、つまりは高齢者も巻き込んだ地域の絆づくりの、一つのあり方としての住民協働も考えたい、ということをお話しました。
▼口でいうのは簡単ですが行動することは難しいものです。実際に住民協働に携わっていらっしゃる地域の方々には深く感謝するとともにあらためて敬意を表します。

332 幼保小連携推進協議会 (20240119)

[通算HP閲覧回数 78,317回 (2024/1/19現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼2024/1/16に第4回羽島市幼保小連携推進協議会を傍聴しました。私は、55歳の時に、県教委学校支援課長として「岐阜県幼児教育アクションプラン『ぎふっこ』すこやかプラン」(第一次)を推進していました。プランでは、県内一部市町をモデル地域に指定し、連携組織の設置や幼児と児童との交流の在り方、指導方法の工夫等の実践研究を進めるとともに、その成果の普及を目指していました。しかし、プランがスタートしたばかりだったため、保護者や保育士、幼稚園教諭、小学校教諭の意見がなかなか噛み合わず、担当者と一緒に苦労した思い出があります。
▼幼保小の設置管理は、私立幼稚園は岐阜県知事部局私学部門私立保育園は岐阜県知事部局福祉部門(運営費等の支弁は羽島市市長部局)、一方、市立小学校と市立幼稚園は羽島市教育委員会となっています。設置管理の所管が異なるということは、誰の指導や助言に従うかという運営の根本が異なるということで、いわゆる縦割り行政なので、実務的な連携にはやはり困難を伴います。幼保小連携は、このような縦割りの壁を無くす作業とも言えます。
▼保育園や幼稚園では、3年間かけて幼児を育て小学校へ送り出します。小学校では、受け取った幼児を、児童として6年間かけて育て中学校へ送り出します。そして、どちらも送り出す時点の幼児や児童の姿を、3年間や6年間の成長の姿と捉えていらっしゃると思います。保育園、幼稚園、小学校の関係者の方々は「この子たちの姿を見てください、私たちは頑張ってこんな立派な姿に成長させて送り出していますよ」という誇りをお持ちだと思います。
▼送り出す方と受け取る方という立場の違いによって、通う場所が変わるだけの同じ子供なのに、保育園や幼稚園の関係者は「しっかり成長させて送り出したよ」、受け取る小学校の関係者は「この子達をこれからしっかり成長させるよ」と思っているのですから、ある意味ではギャップが生じても当然では、とも思います。
▼また、小学校へは複数の保育園や幼稚園から来ます。一方、保育園や幼稚園からは複数の小学校へ進みます。そのため、保育園や幼稚園と小学校が連携をするためには、複数対複数の連携が必要になります。そして、カリキュラム上での連携を目指すとなると、前提として、すべての保育園や幼稚園が小学校入学前のカリキュラムをある程度揃える必要がありそうです。しかし、保育園や幼稚園は縦割り行政で所管が別々であり、また経営主体もほとんどが民間なので独自性が尊重されなければなりません。ここにも相互理解のギャップが生じる一つの要因があるのかもしれません。
▼私は、県教委で担当していたときに、これら二つのギャップ(課題)を乗り越えることは容易ではないことを認識して対応してきました。しかし、あれから年月も経ち、羽島市では、相互訪問や連携担当者会議などによる幼保小相互の理解を深める取組が進んでいます。令和6年度は、モデル小学校区における実践を踏まえ、幼保小連携のモデルの作成へと進んでいくようです。モデル作成では、5歳児から小学校1年生の2年間のカリキュラムを開発することになるようです。
▼羽島市の子供たちと保護者が、戸惑うことなく安心して保育園、幼稚園から小学校へ移っていける環境が、できるだけ早期に整備されることを願っています。関係者の皆様、よろしくお願いします。
▼なお、会議冒頭の挨拶で、教育長さんが能登の災害に触れ、ユニセフの「災害時の子供の心のケア」の4項目から「安心感を与える」と「子どもは自ら回復する力があることを理解し、見守る」を、特に詳しく紹介されたのが印象に残りました。

岐阜県幼児教育アクションプラン(改訂版 令4年3月) PDFファイル