343 教員勤務実態調査 (20240405)

[通算HP閲覧回数 80,736回 (2024/4/5現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼2024/4/4に文部科学省初等中等教育局が令和4年度教員勤務実態調査の集計確定値を公表しました。
▼中学校一般教員の1日当たり在校時間は、平日11時間01分(残業3時間15分)、土日が2時間18分(残業2時間18分)です。一ヵ月30日間とすると月約21時間の残業をしているようです。しかし、一ヵ月6万円以上が想定される残業手当は、法律の定めにより支給されません。しかも、小中学校には衛生管理やアレルギーへの対応などの給食指導(児童生徒の安全確保)があるので、企業のように昼の自由な1時間の休憩時間もありません。
▼実際の回答データを見てみると、1年以上前の調査なのでデータとしてはやや古いですが、興味深い実態も明らかになっています。
▼教員調査のQ35「あなたの学校の校長等は、自らの権限と責任においてリーダーシップを発揮し、一部の教職員に業務が偏ることのないよう校内の業務分担を見直すことや、業務を削減するなど、働き方改革を進め教員の勤務環境を整えていると思いますか。」の回答は、「そう思う」が小学校16.9%、中学校14.7%、高校11.0%で、逆に「まったくそう思わない」が小学校9.0%、中学校12.3%、高校16.1%でした。なぜ校種によって校長のリーダーシップに差が生じるのでしょうか、不思議です。
▼Q5-4では、一人の教員が一週間に担当する授業のコマ数も調査しています。児童生徒は学校で一日6コマ✕5日=週30コマの授業を学びます。一般教員は、週30コマの内の、小学校は週26コマぐらい、中学校は週22コマぐらい、高校は週18コマぐらいを担当しているようです。勤務時間内に授業準備・採点・事務仕事ができる時間は、小学校では一日1コマぐらいしかなく、逆に高校では一日の半分ぐらいはあるようです。校種によって大きな差がありますね。しかも、小学校は給食指導があって、高校には給食がありません。
▼また、Q19-1の「あまりに仕事がありすぎる」の回答にも、校種の差がはっきりと出ています。部活動関係の回答もそうです。
▼「論文を読むときは、元データ・生データを確認せよ」と、大学で学んでいたときに担当教授から厳しく指導されました。全体をまとめた報告書では分からないことが、元データ・生データを見ていると浮かび上がってきます。面白いですね。

令和4年度教員勤務実態調査集計【確定値】(R6/4/4 文科省公表 PDFファイル)
同調査【教員調査・学校調査票 基礎集計表】 PDFファイル

341 羽島市学校構想検討委員会 (20240322)

[通算HP閲覧回数 80,262回 (2024/3/22現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼2024/2/13に「第6回羽島市新しい時代の学校構想検討委員会」を傍聴しました。この委員会では、新し い時代の学校のあり方、教育課題、教育活動、学校運営、適正規模等に関する審議が行われています。委員は、大学教育学部教授2人、小中学校教職員3人、中学校運営協議会委員5人、自治会・PTA・児童委員・公募委員5人です。一般市民というより、学校の様子をよく御存知の方が中心の委員会のようです。
▼今回の協議題は「羽島市の新たな学校像」についてでした。市教委から、小中一貫教育(羽島市、北方町)、学校選択制(美濃市)、学びの多様化校(岐阜市)、教育課程特例校(瑞穂市岐阜大学附属)、合同授業・活動(山県市)の事例が紹介され、それらを参考に各委員の方々の自由な意見交換が行われました。委員会としての方向性の議論は次回以降のようです。
▼市教委配付資料に興味深いデータがありました。画像のデータは、市内5中学校等の保護者、教職員、学校運営協議会委員へのアンケート結果です。その内訳を見ると、保護者と教職員はほぼ同じ傾向でしたが、教職員と学校運営協議会委員とでは大きな違いがありました。概ね2倍以上の差がある項目をあげると、教職員より学校運営協議会委員の方が圧倒的に多かったのは、Q4のキ、カ、Q5のウ、Q7のエ、カで、逆に教職員の方が圧倒的に多かったのは、Q7のオでした。
▼私には、このような差が生じた理由は分かりませんが、学校教育法第21条に義務教育の目標が10項目定められていて、そのほとんどが教科書の内容を理解し活用できることに結び付いていること、つまりは学校の教員は「確かな学力の育成」が義務教育の基本的で重要な目標であることを意識していることかな、と思ったりしています。
▼「確かな学力」が、アンケートのQ4「子どもたちや我が子に身に付けさせたい、これからの社会人に必要だと思う力や姿は」の選択肢にもしも含まれていたら、結果はどうなっていたでしょうか。多くの子ども達が、お金を払って学習塾へ通っている現状から推察すると、かなり上位に入ってくるのかもしれませんね。
▼ところで、今から10~20年ぐらい前には、「学習意欲の格差」が話題になっていました。最近は、「まったく勉強しない子が大きな集団となって存在」「勉強する子はしっかりやっている」という、学習意欲でなく「学習習慣・学習量の格差」が顕著になってきたようです。
先生と子ども達の笑顔が溢れ、先生と子どの達の会話があちこちから聞こえてくる学校で、毎日何時間も教室で行われる国語・算数数学・英語・理科・社会・芸術・技術家庭・保健体育・道徳などの授業を、先生も子ども達も楽しく学んでいる姿を心に描きながら、「羽島市新しい時代の学校構想検討委員会」の議論に注目していきたいと思います。

【会議要旨】羽島市新しい時代の学校構想検討委員会 はこちらへ (羽島市HP)
308 山県市方式 小規模校守る (20230728)



339 子育てについて市民意見交換会 (20240308)

[通算HP閲覧回数 79,715回 (2024/3/8現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼2024/2/17に羽島市議会民生文教委員会担当で、議員と市民との意見交換会を開催しました。テーマは「羽島市の子育て環境の充実に向けて」です。市ホームページや議会だよりで参加者を募集し、民生文教委員会の委員6人と参加市民14人の合計20人が3グループに分かれて意見交換をしました。
▼あるグループでは私が進行係を務め、子育て環境といっても範囲が広いので、グループの皆さんに話題にしたい分野をお伺いしたところ、教育分野、特に中学校休日部活動地域移行と小中学校不登校が圧倒的に多かったので、その分野に絞って意見交換をしました。
▼部活動については、生徒や保護者によって中学校部活動に求めるものが異なること、そしてそのことを踏まえた保護者や生徒への説明が十分ではないこと、その結果不満が出やすいことや、子ども達が自分が興味関心を持っている分野を自由に選べるとよい、などの意見がありました。中学校の先生の多忙化解消、休日の勤務軽減という理由は理解できるが、そのしわ寄せが子どもへ来るのは納得しがたい、という意見もありました。
▼不登校については、原因が様々で分からないので対応策も考えにくいという意見や、子ども達は不登校の子でも気にすることもなく自然に接しているという意見があり、子ども達が、多様な教育環境(従来の小中学校やフリースクールなど)から自分にとって最も相応しい環境を選択して学ぶことが普通になると良いという意見もありました。子ども達の多様性を尊重する取り組みが重要という雰囲気でした。
▼市民の皆様の忌憚のない意見を聞くことがとても勉強になりました。ありがとうございました。


337 県スポーツ協会懇談会 (20240223)

[通算HP閲覧回数 79,265回 (2024/2/23現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼2024/2/14に、岐阜県水泳連盟副会長として「岐阜県スポーツ協会スポーツ懇談会」に参加しました。会場は岐阜グランドホテルで、参加者は各種目の競技団体や市町村スポーツ協会など県内スポーツ関係者300人以上でした。県民スポーツ大会郡市対抗表彰(優勝は大垣市)、かごしま国体競技別天皇杯トロフィー披露(ホッケー)など盛り沢山の内容でした。
パリオリンピック2024出場内定選手座談会もあり、永井友里選手と斉藤史弥選手のお話が聞けました。アーチェリーの斉藤選手は羽島市中央中学校卒業で、高校三冠(選抜・インターハイ・国体)、現在大学1年生の日本代表チーム最年少です。座談会後に、私も斉藤選手へ応援の言葉を掛けさせていただきました。「良い準備をされ、持てる力のすべてをパリへぶつけてきてください。応援しています。」
▼久し振りに県スポーツ協会関係者やスポーツ関係の県職員、陸上・サッカー・テニス・バドミントン・高野連などの役員と会えて昔話で盛り上がり、とても楽しい時間でした。教え子や古くからの仲間と一緒に二次会へ出かけ思わず飲み過ぎました。反省。

336 一般質問-学校の子ども用冷水機 [令5年12月議会] (20240216)

[通算HP閲覧回数 79,037回 (2024/2/16現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼前回に引き続き令和5年12月議会一般質問(2023/12/11)の御報告です。今回で最後になりますが、学校の児童生徒用ウォータークーラー(冷水機)の管理と熱中症対策についての質問の御報告です。
▼学校へは、子供たちや教育を大切に思う方々から寄附を頂くことがあり、教育活動の充実のために活用されています。そして、学校は市の機関なので、寄附を受領する場合には市の規則に従う必要があります。これがなかなかに面倒な手続きなのですが、市民への説明責任を果たすためにはやむを得ません。しかし、教員の働き方改革のために、デジタルを活用した透明でありながらも簡素な手続きになると良いな、とも思っています。
学校に御寄附いただいた物品の中に、体育館や児童生徒用玄関、渡り廊下などに設置してあるウォータークーラー(冷水機)がありますが、壊れていて、修理の順番が回ってこなくて、暑い夏に子供たちが冷たい水を飲めなくて困っている、という声を多くの子供たちや保護者、そして先生方からお聞きしました。
▼そこで、寄附を受領する手続きや寄附された物品の維持管理のあり方、さらに寄附された学校備品であるウォータークーラーについて、子供たちの熱中症対策としての修理の優先度などの考え方について質問しました。市の財政は厳しいとは思いますが、今年の夏には、子供たちが学校で不自由なく冷たい水が飲めると良いですね。
▼教育長の答弁は次の通りです。『学校への寄附の現状につきましては、これまで児童生徒の教育環境の充実のために、市内法人からの各学校への防犯カメラの寄附の他、プロジェクタやジェットヒーター等の寄附がございます。また、学校の衛生環境の充実や熱中症対策のため、消毒液スタンドやウォータークーラー等の寄附もいただいております。ウォータークーラーにつきましては、熱中症対策としてこまめに水分補給をすることができ、持参した水筒で不足する水分を補うために設置され有効に活用されております。設置状況につきましては、学校規模等によって設置している基数は異なりますが、1校平均5基程度設置されております。現在、各学校に設置されているウォータークーラーにつきましては、学校の規模や意向を踏まえて市において修繕等の管理をしてまいります。また、増設等につきましては熱中症対策や感染症予防などの状況を踏まえて、調査・研究してまいります。』
▼私が羽島市議会議員に立候補した大きな理由の一つに、「議員になって、市教委が市財政当局から予算獲得しやすいよう側面支援する ⇒ 羽島市の学校教育の発展充実を図る」があります。これは、県教委在職中に、県財政当局との予算獲得折衝を20年以上も繰り返してきて、県議会議員の支援が大きな力になることを身に染みて感じてきたからです。これからも、特に子育て、教育関係の皆様の御指導御支援をよろしくお願いします。