393 中学生部活動の地域展開 (20250314)

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▼2025/2/6に東京でスポーツ庁地域スポーツ課課長補佐文部科学省初中局財務課企画専門官から中学生部活動の地域展開について国の政策の方向性を説明していただきました。(初中局財務課が同席しているのは教員の特殊勤務手当を指導者謝金に充てればよいのではと提案したからです)
「休日部活動の地域移行」がスタートしたときには、「教員の働き方改革」つまり「学校の先生が土・日・祝日も休みなく働かなければならない状況を改善」するためと説明されていましたが、この2024/12/18発表の「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」中間とりまとめではかなり様子が変わってきています。
▼この「中間とりまとめ」では、部活動改革は「急激な少子化への対応」を背景に「将来にわたって生徒が継続的にスポーツ・文化芸術活動に親しむ機会を確保・充実」することが主目的であり「生徒が希望する活動を主体的に選択できる環境の整備を図る事が重要」とされています。教員の働き方改革は補足的な考慮事項としてあげられているだけとなっています。
▼また、学校単位で学校管理下の部活動として行われてきた中学生のスポーツ・芸術活動を、「地域全体で関係者が連携して支え、生徒の豊かで幅広い活動機会を保障した活動へ改革」するともされています。そして、県や市町村がスポーツ・文化芸術施策を総合的に推進する中で、部活動改革も計画的に進めることを求めています。
▼まさに、私が市議会一般質問で提案してきた方向性と同じような内容となっています。というか、全体を俯瞰的に捉えればこのような方向性しかないことは当然と思われます。
▼なお、「地域移行」という名称については、学校内で運営されてきた活動を広く地域へ開き地域全体で支えていくという理念から「地域展開」に変更されます。同様に「部活動」は「地域クラブ活動」へと変化していくと思われます。また、学習指導要領においても次期改訂時にあわせて「学校部活動」と「地域クラブ活動」に関する記述の在り方が検討されるようです。
▼羽島市においては、「中学生世代のスポーツ環境や文化芸術環境の整備」は、教育委員会や学校の担当から、まちづくりや羽島市の魅力づくりとして市が一体となって総合的・計画的に展開できるように、市長部局の市民協働部の担当になりました。市長部局においては慣れない分野とは思いますが、折角全国的に先進的な取り組みとして注目されているのですから、より一層時代を先取りした施策の展開をお願いします

「学校部活動の地域連携・地域クラブ活動への移行に向けて」(スポーツ庁)のHPはこちら

「地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議」中間とりまとめ の本文 (PDFファイル)

392 令7年3月議会 日程・一般質問一覧 (20250307)

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▼2025/2/28に令和7年3月議会が開会しました。主な議案は、①令和7年度当初予算、②市第7次総合計画、③こども誰でも通園制度、④副市長2人制、⑤市職員勤務条件、⑥国民健康保険税などです。市民生活に直結する議案が多く慎重に審議したいと思います。①は予算決算特別委員会で審議しますが、②~⑥は各常任委員会で審議します。私が委員長を務める総務委員会は②、④、⑤を審議するので責任重大です。
3/11(火)~3/13(木)の一般質問では議長を除く17人中15人の議員が質問します。私は3/13(木)午後3人目です。くじを引くと何故かいつも最後の方になります。
▼私の質問の1項目目では、スポーツ・文化を担当している市民協働部長へ、「地域のこどもは地域で育てる」という国の方向性を踏まえて、中学生年代のスポーツ環境や文化芸術環境の整備にどのように取り組んでいくのか、について尋ねます。
▼2項目目は学校給食についてです。学校給食の献立は、「子供に美味しいお昼ご飯を食べさせるために、保護者が負担しても良いと思っている食材料費の金額はどの程度か」や、「周辺市町の給食費がどの程度か」、さらには「物価や流通の状況」などを踏まえて決める給食費の範囲内で作成されます。また作成に当たっては、栄養職員や栄養教諭が中心になって、国や県が定める衛生・栄養・カロリーの基準を満たすとともに、少しでも子供たちが喜び満足するような献立にしようと、創意工夫しながら作成されます。
▼このような様々な制約のある中での、特に最近の物価高騰下での給食関係者の御努力には心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
▼一方、今年5月に国が給食費無償化を検討するという報道があります。もし実現すると、給食費は現実的には予算という形で国・県・市などの行政が決めることになります。「子供たちに美味しい給食を食べさせたいので、この金額ぐらいの給食費なら負担しても良い」という保護者の気持ちは届きにくくなります。そこで、子供たち、保護者、栄養教諭など、学校現場と遠く離れたところで給食費が決まるような状況にならないように、市内の看護大学の栄養や健康の専門家、民間の調理や流通の専門家などに、給食費(献立を含む)について第三者評価していただく仕組みの導入を提案します。
▼さてはて、未来へ向けた取り組みについてどのような答弁が得られるでしょうか。県教委幹部も注目していそうなので頑張って質問します。
▼ところで、一般質問では6人の議員が羽島市民病院を取り上げます。市長批判や病院経営責任追求ではなく、将来に向けた対策がその有効性の根拠とともに提案され、現実的で深みのある議論が展開されることを期待しています。
羽島市民病院については、周辺の多くの病院が新しく綺麗で近代的な建物に変身した中で、羽島市民病院が古い建物のままだということが、患者が減ってきている大きな理由ではないだろうかと、最近思うようになってきました。医療に関する専門的な知見を持たない方々は、「新しく綺麗な病院へ行きたい」という単純な感情で病院を選んでいるのかも、と思ったりするのです。もしそうだとすると、厳しい市の財政状況の中、どのようにして建て替えの道筋を付けるのかについて、今から考えなければなりません。そのような観点から質問をされる議員はいるでしょうか。注目したいと思います。

391 市長部局による不登校対策 (20250228)

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▼2025/2/6に東京でこども家庭庁のいじめ不登校防止担当企画官から学校外からのアプローチによるいじめや不登校の防止について説明していただきました。この企画官は文部科学省からの出向者で九州のK県教委への出向経験もあり、学校現場のことをよく御存知でした。
子どもの教育は第一義的には保護者の責任であり義務であることが法律に定められています。義務教育とは言っても、子どもには小学校や中学校へ行く義務は課せられていなくて、保護者に子どもを教育したり子どもに教育を受けさせたりする義務が課せられている、というのが法律の定めです。
▼例えば、教育基本法第10条に「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせると共に、自立心を育成し、心身の調和の取れた発達を図るよう努めるものとする。」と定められています。
また、民法第820条に「親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」と定められています。
▼私は、このような親の義務と責任を踏まえた
上で、小学生・中学生の教育つまり学びの保障をするのが主に教育委員会(学校)であり、監護つまり健やかな成長の保障をするのが主に市の福祉や子育て支援の担当課だと考えています。
▼こ
のような私の考えと同じ趣旨の提言が、最近、国からよく出されるようになりました。「地域の子供たちは地域で育てる」「地域全体で子供たちを支援する」というスローガンはその表れです。2/6のこども家庭庁との意見交換でも、国の官僚は「学校外である首長部局の子育て支援担当課や福祉担当課が、自ら不登校やいじめを発見し、責任を持ってその解決まで対応し見届ける」ことを目指していると語っていました。
スポーツや文化芸術も含めて、学校という文化や風土の外で子供たちが活動し、相談し、支援してもらえるような仕組みを作らないと、不登校やいじめはなくならないと私は確信しており、このような国の官僚の発言には全面的に賛同しています。
▼私は、学校が頑張っているとか、いないとかではなく、学校という、たった一つの同じ文化や風土の中でしか子供たちが成長せざるを得ない状況は、多様で多感な子供たちにとって好ましい状況ではないと、むしろ避けるべき状況であると思っています。学校の外を含めた多様な価値観の中でこそ、子供たちの心は健やかに成長していけると考えているのですが、皆さんはどのように思われますか。
▼教育や子育てとは直接関係ないのですが、近年の日本の国力停滞も、同じ価値観にどっぷりと浸かりやすく流されやすいという国民性にも、一つの要因があるような気もしています。

390 令7年度羽島市予算 (20250221)

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▼2025/2/14羽島市が令和7年度当初予算案を発表しました。一般会計は265億円で対前年比7.4%増、特別会計と企業会計を加えると543億円で対前年比5.3%増です。この当初予算案は令和7年3月議会で審議されます。3/19・21・24に開催見込みの予算決算特別委員会では細かな内容について質疑が行われますので、一般質問より傍聴する価値が高いかもしれません。 (当初予算市発表資料はこちらから) (予算編成経過はこちらから)
▼私が関心を持っている令和7年度新規事業は次のようなものです。
帯状疱疹ワクチンの定期接種開始。年度内に65歳になる方を対象に、効果が長いらしい組み替えワクチンについては自己負担額7,000円/回(2回接種)。現在66歳以上の方には経過措置あり。予算額2,300万円
中学校の給食費無償化と小学校等への給食費値上げ分の補助。中学生について、令和7年度は406円/食となる給食費の全額を市で負担し保護者負担は無くす。小学生については、令和6年度の保護者負担額250円/食を維持し、物価上昇による給食費上昇見込み分100円/食を市で負担。その結果、令和7年度の小学校の給食費は350円/食。予算額中学校14,900万円小学校6,900万円)
参考→[現役教師が告白] 給食を食べる時間もない!? 知られざる「先生の昼休み」の実態 (Yahooニュース)
こども誰でも通園制度の実施。0歳6か月から満3歳未満の未就園児が月一定時間利用できる「こども誰でも通園制度」を令和7年10月から実施。保護者負担を月10時間を上限に1時間あたり300円となるよう市が補助。予算額300万円
適応指導教室の増設。令和7年9月に、小熊小学校に加えて、不登校児童生徒を支援する適応指導教室を中島中学校内に増設。予算額900万円
▼なお、適応指導教室という名称は、私が令和6年9月議会で「不登校の子ども達が、社会的な自立に向けて、自信と誇りを持って通えるような名称への変更」を提案したところ、この3月議会で市から「こどもサポートルーム」への名称変更が提案されるようです。
県の予算や組織見直しも2/17に発表されました。江崎知事の船出です。
▼県の予算では、校内教育支援センターの設置、双子など多胎児出産時に子供1人あたり10万円支給児童養護施設や里親家庭で暮らす子供1人1人へ中学校卒業時に10万円、高校卒業時に50万円支給など、現場の細かな状況までも理解したきめ細かさが感じられます。ところで、高校卒業時の50万円支給は、法的には成人への支給になるので、社会へ出る第一歩の資金として本人へ直接渡し、本人が自由に活用できるようにしてほしいものです。また校内教育支援センター設置には人件費の手当てが最も必要です。多忙の極みにある学校の先生方に、人を増やすことなく新しい仕事を押しつけるのは現場の実態とはかけ離れています。
県の組織見直しでは、健康福祉部内のこども女性がこども女性に格上げされ、私立学校教育や青少年健全育成の業務も担当します。出産時や乳幼児段階から義務教育や青少年段階まで一体的、連続的に支援する姿勢が感じられます。観光国際部を観光文化スポーツ部へと改編し、スポーツ・文化芸術と観光を一体的に捉えて、県の魅力づくり、そしてその魅力を国内外へ発信する取り組みを充実させる姿勢も見えます。私が羽島市議会の一般質問で取り上げている内容と同じです。羽島市でも前向きに検討することが必要と思われます。
▼江崎県政への期待が益々膨らんできました。県職員の皆様、江崎県政を忖度のない提案で支えていただきますようお願いします。

羽島市令和7年度当初予算の主な新規事業(PDFファイル) はこちらへ

 

 

389 文科省他の官僚と意見交換 (20250214)

[通算HP閲覧回数 100,255回 (2025/2/14現在)、連絡先:info@minatani-kiyoshi.com]
▼2025/2/6~7に同僚議員と東京へ出かけ、地元選出国会議員のお世話で中央省庁のキャリア官僚の方々から国の政策について説明を受けてきました。
▼テーマは「学校外からのアプローチによるいじめ防止や不登校対策」(こども家庭庁)、「公立病院の経営強化」(
厚生労働省・総務省)、「部活動地域移行後の政策」(スポーツ庁)、「防災庁設置」(内閣官房)です。地方の声や現場の声を政策立案を担う中央官僚へ直接ぶつける貴重な機会ですので、説明を聞くだけでなく積極的に質問し、私の意見を述べながらディスカッションしてきました。
▼特に、文部科学省が関係する
いじめ防止、不登校対策、部活動の地域移行については、市議会議員としてではなく県立高校の校長や県教委課長・教育次長の経験を踏まえての意見交換です。現状説明や政策提案だけでなく、文部科学省の今までの政策へ意見など私の率直な思いも投げかけてきました。
▼大きな傾向としては、学校が抱えこんでいた課題の幾つかについて、「地域の子供は地域で育てる」のスローガンの下、学校だけではなく首長部局も責任を持って対応するように誘導にする動き
が目立ちました。いよいよ時代が変わってきましたね。
▼文科省(含む出向)の官僚には、妙に教育行政に詳しい市議会議員がいるなと不思議に思われたかもしれませんが、文科省官僚の方々からは率直な反応があり充実した時間となりました。文科省から岐阜県へ出向してきて、岐阜県教委で一緒に働いていたキャリア官僚の方々の、今の様子も聞けて懐かしかったです。部活動の地域移行を強力に推進した担当課長も岐阜で一緒に働いた仲間の官僚です。
▼また、経済産業省を訪問して、国会の予算委員会が終了したばかりの武藤大臣にお会いし、石破首相とトランプ大統領との会談や来年度予算審議のことなどについて「実は・・」というお話もお聞きしました。ちゃっかりと、お上りさん丸出しで大臣椅子に座った写真も撮らせていただきました。
▼国の官僚の皆さんから説明を受けた内容の幾つかについては、今後このHPで取り上げてまいります。