南谷清司 について

南谷清司

25 中学校部活動の改善

今春(平成31年3月)岐阜県教委が「中学校部活動指針」を発表しました。この指針が各中学校で確実に実行されれば中学校部活動は大きく改善されます。指針で示された改善ポイントは次の通りです。

  • 「全校生徒全員部活動加入」のように部活動への参加を強制しない。
  • 平日の朝練習は午前7時30分以降とする。
  • 平日の活動時間は2時間程度以内とする。
  • 平日5日間のうち1日以上の休養日を設ける。
  • 休日の活動時間は3時間程度以内とする。対外試合等もできる限り終日に渡らないようにする。
  • 土曜日・日曜日のいずれかを休養日とする。第3日曜日(家庭の日)は原則として休養日とする。
  • 大会や対外試合等で休日に連続して活動する場合は、翌日に休養日を設ける。
  • 年末年始やお盆期間等には活動日を設けない。
  • 部活動として参加する大会や対外試合を精選する。
  • 部費等の会計処理は各部保護者会が行う。
  • 各中学校における運動部の設置数は複数顧問体制が可能な範囲とする。
  • 教員の休日の部活動指導業務は原則一か月15時間程度(大会等をのぞく)とする。
  • 教員には、休日のどちらか1日を含め、1週間のうち2日間は必ず休養日を設ける。

「定額働かせ放題法」と揶揄される給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)の改善は国会議員のお仕事ですが、ブラック労働と言われる部活動指導の勤務環境改善は市町村教委の決定で可能であり、これはそのための指針です。なお、実際にどのように中学校部活動を改善するかは、この県指針により各市町村教委の権限と責任のもと決定されます。

県指針は以下のPDFファイルで御確認ください。

岐阜県中学校部活動指針 (表紙と目次)

岐阜県中学校部活動指針 (策定に当たって) p1~p2

岐阜県中学校部活動指針 (本文) p3~p12

 

24 稲田朋美代議士

衆議院議員(福井1区選出)稲田朋美代議士とお話をしました。稲田代議士は福井県越前のお生まれですが、御主人と弟さんは岐阜県立加納高校を卒業されており、岐阜にご縁のある方です。代議士からは高校の校長の経験を生かして頑張ってくださいと激励していただきました。

23 議会市政視察

7/10午前中に羽島市議会議員の市内視察に参加しました。特別養護老人ホームことほぎ苑、長良川防災船着場、国営木曽三川公園桜堤サブセンターの3カ所を視察しました。ことほぎ苑は最近の特養のあり方を踏まえた設計になっていて勉強になりました。長良川防災船着場は国土交通省の施設で災害時に長良川を利用した水上輸送による資機材・物資の輸送や荷役・人員の輸送を円滑に行うための施設です。桜堤サブセンターは桑名から犬山までの国営木曽三川公園を構成する施設の一つです。BBQができるテーブルも設置されています。ところで何故「サブ」なのでしょうか。

22 国民年金って損?

参議院選で年金制度が話題になっています。では、そもそも年金保険料を払うのは損か得かどちらでしょうか。まずは国民年金(老齢基礎年金、いわゆる年金制度の1階部分)の単純な生涯収支について調べてみました。(日本年金機構のHPによる)

  • 国民年金保険料は月16,410円で年196,920円納付します。全納付期間である20歳から60歳までの40年間の総納付額は約788万円になります。
  • 国民年金は、保険料を40年間(全期間)納付した場合には満額の年780,100円支給されます。65歳から75歳までの10年間の総支給額は約780万円になります。
  • 単純に考えると、20歳から60歳までの40年間かけて納付した約788万円を、65歳から75歳まで10年間で約780万円返してもらうことになります。
  • 国民年金は死ぬまで貰えるので、75歳以降に貰える年金分は得だといえます。(利息分はどうなるとか、リスクを背負ってその分投資したらとか、将来支給額が減額されたらとかの想定は無視し、単純な収支計算による場合)

ところで、例えば女性の平均寿命である87歳まで生きた場合の、75歳以降の年金780,100円×12年間=約936万円は誰が払ってくれるのでしょうか。実は、国が税金等を使って年金を払ってくれるのです。(国民年金保険料を払わないと税金を払っていてもこの分が貰えない。)     さらに、国民年金が幾ら貰えるかばかりに目が行きがちですが、国民年金には「保険」としてのメリットもあります。

  • 長生きに対する保障(終身年金なので100歳でも何歳でも貰える)
  • インフレに対する保障(物価や賃金の変動にあわせて支給額も変動)
  • 障害に対する保障(障がい者となった日から年金支給)
  • 死亡したときの保障(死亡した日から遺族へ年金支給)

さあ、国民年金保険料を払うのは損でしょうか、得でしょうか。

21「考えよう」って?

【20「深い学び」って?】に続いて。

「○○について考えてみよう」、「考えた結果を発表しよう」、「このことについてもう少し考えてみよう」と指示しながら、「主体的・対話的な学び」になるよう先生が授業を進めていく場面に出会います。このように「考えよう」と指示されたとき、子ども達はどうしているのでしょうか。きっと、「考えよう」と指示されても何をして良いか分からない子どももいることと思います。もしそうであるならば、「考えるということは何をすることか、どのように頭を働かせることなのか」など「考える」という技術・技能を身につけさせることが必要です。このことが新学習指導要領で話題になる「主体的・対話的で深い学び」の「深い学び」に繋がっていくと思います。

「考える」ということは、「課題に対して、今まで得た様々な知識や経験を組み合わせて(つなげて)答えを導き出す行為」ということになるのでしょうが、とかく、持っている知識から当てはまるものを探すという「知識の探索」になり勝ちです。まさに「考えるふり」ですね。

私は、「考える」という作業では、探索ではなく「知識の選択」を重視すべきと思います。持っている知識の中から当てはめるべきものは何かという選択です。そしてその選択には、類似性や相違点、特徴、今までの経験、俯瞰的に捉えた背景や本質、流れなどが重要な判断要素として関わってきます。これらの判断要素を駆使して「知識の選択」をすることが「考える」ということだと思っています。そして、新学習指導要領での「主体的・対話的で深い学び」では、この「考える技術」を身につけることを意識した「深い学び」を実現して欲しい願っています。