423 先生の勤務状況の世界との比較 (20251010)

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▼2025/10/8にOECD(経済協力開発機構)TALIS(OECD国際教員指導環境調査)2024結果を発表したという報道がありました。先生方の勤務状況の世界と日本との比較です。
▼文部科学省が整理したポイント(2番目3番目の資料)から私が注目する内容を拾い出してみました。
①日本の小中学校教員の1週間当たりの仕事時間は、前回に引き続き参加国中で最長。
②前回2018年調査と比べて、質の高い指導を行う上で、教員の不足を感じる割合が小学校で増加
③AIが児童/生徒の偏った見方を増大させると考える日本の教員の割合が小中学校ともに国際平均より高いなど、AIに関するリスクを認識している教員の割合も高い。
④前回2018年調査と比べて、多大な授業準備、多すぎる授業数や採点業務、事務的業務、保護者対応についての日本の教員のストレスは、小中学校ともに増加
⑤日本の教員は、保護者対応、事務的業務、授業数についてのストレスが国際平均より高い。
⑥日本は、多様性や公平性に関する問題や予期せぬ事態についてのストレスが国際平均より高い
▼先日、ある国会議員の政策秘書の方から「給食無償化や私立高校授業料実質無償化についてどのようにお考えか」と尋ねられました。「学校が崩壊しつつある現状を踏まえると、税金を投入する優先順位が間違っている」とお答えしました。教員を魅力ある仕事にし、教員志望者を増やし、その結果として教員不足を解消して、学校で子ども達が安心して先生から学べる環境を確保し守ることが、今現在の喫緊の課題です。
▼文科省の中央教育審議会では令和7年7月9日に「教師を取り巻く環境整備特別部会」を設置し議論していますが、何年も前に文科省(中教審)が発表したのですが学校現場には全く役に立たなかった「学校と教師の業務の3分類」の改定案の審議などではなく、市町村教委任せ、学校任せにしない、実効性のある仕組みを考えてほしいものです。