391 市長部局による不登校対策 (20250228)

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▼2025/2/6に東京でこども家庭庁のいじめ不登校防止担当企画官から学校外からのアプローチによるいじめや不登校の防止について説明していただきました。この企画官は文部科学省からの出向者で九州のK県教委への出向経験もあり、学校現場のことをよく御存知でした。
子どもの教育は第一義的には保護者の責任であり義務であることが法律に定められています。義務教育とは言っても、子どもには小学校や中学校へ行く義務は課せられていなくて、保護者に子どもを教育したり子どもに教育を受けさせたりする義務が課せられている、というのが法律の定めです。
▼例えば、教育基本法第10条に「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせると共に、自立心を育成し、心身の調和の取れた発達を図るよう努めるものとする。」と定められています。
また、民法第820条に「親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」と定められています。
▼私は、このような親の義務と責任を踏まえた
上で、小学生・中学生の教育つまり学びの保障をするのが主に教育委員会(学校)であり、監護つまり健やかな成長の保障をするのが主に市の福祉や子育て支援の担当課だと考えています。
▼こ
のような私の考えと同じ趣旨の提言が、最近、国からよく出されるようになりました。「地域の子供たちは地域で育てる」「地域全体で子供たちを支援する」というスローガンはその表れです。2/6のこども家庭庁との意見交換でも、国の官僚は「学校外である首長部局の子育て支援担当課や福祉担当課が、自ら不登校やいじめを発見し、責任を持ってその解決まで対応し見届ける」ことを目指していると語っていました。
スポーツや文化芸術も含めて、学校という文化や風土の外で子供たちが活動し、相談し、支援してもらえるような仕組みを作らないと、不登校やいじめはなくならないと私は確信しており、このような国の官僚の発言には全面的に賛同しています。
▼私は、学校が頑張っているとか、いないとかではなく、学校という、たった一つの同じ文化や風土の中でしか子供たちが成長せざるを得ない状況は、多様で多感な子供たちにとって好ましい状況ではないと、むしろ避けるべき状況であると思っています。学校の外を含めた多様な価値観の中でこそ、子供たちの心は健やかに成長していけると考えているのですが、皆さんはどのように思われますか。
▼教育や子育てとは直接関係ないのですが、近年の日本の国力停滞も、同じ価値観にどっぷりと浸かりやすく流されやすいという国民性にも、一つの要因があるような気もしています。