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▼9月議会は決算議会。令和4年度の予算執行結果を決算報告・認定という形で審議しました。羽島市では厳しい財政状況を受けて、令和2年度から3年間に渡って財政の「安定化対策」を実施してきましたが、その成果はどうだったでしょうか。
▼地方自治体の財政状況を表す主な指標には、財政調整基金残高、財政力指数、実質公債費比率、将来負担比率、経常収支比率などがあります。私は、議会でこれらの幾つかについて質問しました。
▼市の貯金である財政調整基金は、決算時残高で、令和元年度末29.9億円、令和2年度末27.6億円、令和3年度末26.9億円、令和4年度末27.9億円となっています。一般的には、残高は標準財政規模(市の標準的収入)の10%~20%が適正とされています。羽島市の標準財政規模は139億円程度のようですから、概ね14億円~28億円が適正な残高となります。令和4年度末残高27.9億円は20%相当ですので適正な状態と言えそうです。なお、羽島市の財政の「安定化対策」では令和6年度末で13.4億円の確保を目標としています。
▼財政力の強弱を示す財政力指数は0.76で県内市町村の中では高い方です。 ( 県内他市町村の状況はこちらへ )
▼借入金返済等(ローン返済のようなもの)の厳しさを示す実質公債費比率は、令和2年度4.7%、令和3年度5.7%、令和4年度7.5%でした。3年間平均は5.9%です。県内市町村平均は4.7% ( 県内他市町村の状況はこちらへ )、岐阜県は7.2% ( 県の状況はこちらへ )でした。令和4年度の数値が大きくなっていますが、これは新庁舎建設費用の返済が始まったことによります。さらに今後は次期ごみ処理施設建設費用の羽島市負担分の返済も加わります。
▼将来負担する借入金等の大きさを示す将来負担比率は8.7%です。県は222.9%です。( 県内他市町村の令和3年度決算の状況はこちらへ )
▼財政の硬直化を示す経常収支比率は95.7%で、70%〜80%の間が理想とされています。羽島市は県内市町村の中でも高い方だと思われます。経常収支比率は、経常的経費(人件費、生活保護費、児童福祉費、社会福祉費、借入金返済など)に、経常的収入(地方税、地方交付税など)がどの程度充当されているかの比率で、一般家庭での消費支出に占める飲食費の割合である「エンゲル係数」みたいなものです。
▼経常収支比率は、数値が大きいほど財政が硬直化していて、新規施策や新規事業に投資する予算が少なくなりますが、数値が大きいほど福祉関係に力を入れているとも言えます。そのため、財政の健全性を評価するためには、実態を詳細に見なければなりません。また、支出を「経常的経費」と「臨時的経費」のどちらに分類するかのルールが不明確な場合もあります。
▼今後の羽島市の財政は、新庁舎や次期ごみ処理施設の建設費の償還、学校・病院・コミセン・道路・橋など公共施設の老朽化への対応、高齢化の進展等による社会保障費の増加、物価や賃金水準の上昇などから、収入より支出の方が大きくなるなど、厳しい状況が続きそうです。持続可能で安定した財政基盤の確立に向けて、引き続き財政の「安定化対策」の着実な実施が求められます。
140 コロナで県内市町の「財政悪化」 (20200922)
94 議会一般質問 羽島市財政 (20200313)
63 羽島市財政安定化対策 (20191206)
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