【20「深い学び」って?】に続いて。
「○○について考えてみよう」、「考えた結果を発表しよう」、「このことについてもう少し考えてみよう」と指示しながら、「主体的・対話的な学び」になるよう先生が授業を進めていく場面に出会います。このように「考えよう」と指示されたとき、子ども達はどうしているのでしょうか。きっと、「考えよう」と指示されても何をして良いか分からない子どももいることと思います。もしそうであるならば、「考えるということは何をすることか、どのように頭を働かせることなのか」など「考える」という技術・技能を身につけさせることが必要です。このことが新学習指導要領で話題になる「主体的・対話的で深い学び」の「深い学び」に繋がっていくと思います。
「考える」ということは、「課題に対して、今まで得た様々な知識や経験を組み合わせて(つなげて)答えを導き出す行為」ということになるのでしょうが、とかく、持っている知識から当てはまるものを探すという「知識の探索」になり勝ちです。まさに「考えるふり」ですね。
私は、「考える」という作業では、探索ではなく「知識の選択」を重視すべきと思います。持っている知識の中から当てはめるべきものは何かという選択です。そしてその選択には、類似性や相違点、特徴、今までの経験、俯瞰的に捉えた背景や本質、流れなどが重要な判断要素として関わってきます。これらの判断要素を駆使して「知識の選択」をすることが「考える」ということだと思っています。そして、新学習指導要領での「主体的・対話的で深い学び」では、この「考える技術」を身につけることを意識した「深い学び」を実現して欲しいと願っています。