322 母校岐高が創立150周年 (20231103)

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▼2023/10/29に母校岐阜高校の創立150周年記念式典・講演会・祝賀会が長良川国際会議場・都ホテル岐阜長良川で開催されました。私は昭和49年卒同窓生として、また岐阜高校元校長として出席しました。
▼記念式典は、挨拶や表彰が中心の格式張った形式ではなく、挨拶は実行委員長と校長と来賓代表の県知事の3人のみで短く、表彰は無しで功労者のスライドによる紹介だけ、一方岐阜高校の活躍などの映像を使った紹介は多く、参加した方々が楽しめる同窓生ファーストの式典でした。また、校訓「百折不撓・自彊不息」が、会の最初から最後まで繰り返し語られ、集まった同窓生に母校愛、岐高魂を思い出させてくれました。さすがは岐阜高校同窓会の演出です。
▼なお、校歌にも歌われている校訓「百折不撓(ひゃくせつふとう)」は「幾度失敗しても志をまげないこと」を、そして「自彊不息(じきょうふそく)」は「自ら努め励んでやまないこと」を意味しています。 ( 岐高校歌の動画はこちらからどうぞ   (私が校長の時に友人の協力を得て作成しました))
▼長良川国際会議場の記念式典・講演には約1800人が集まったそうで満席でした。記念祝賀会も約700人の参加で、都ホテルのボールルームだけでは入りきれず、幹事学年の一部約80人が別室でモニター参加になりました。幹事とはいえ可哀想でした。
▼私は第49代校長(H28/4~H30/3)として功労者の感謝状を頂きました。校長当時の、「科学の甲子園」の全国優勝、単位制の導入、県内どこからでも岐高へ入学できるよう全県一学区の実現など、様々なことを懐かしく思い出しました。また、記念祝賀会では河合副知事や村瀬元十六銀行頭取と同じテーブルになり、男子クラスの話や羽島市議会の話などで盛り上がりました。
記念講演会は大栗博司博士(昭和55年卒)の「人生で大切なことは岐阜高校で学んだ」と題した講演でした。大栗博士は、私が校長の時には、ノーベル賞の時期になると受賞候補ということでメディアから事前取材があったほどの、世界的な科学者です。
▼講演で、教育関係の特に印象に残ったことは、学ぶ理由は「①自分の頭で考える力を伸ばす」「②必要な知識や技術を身につける」「③言葉で伝える力を伸ばす」であるという指摘です。大栗博士ほどの世界的科学者が、このようなシンプルなことを繰り返し岐高生に語りかけられるのに触れ、改めて私自身もこの3点を子ども達に分かりやすく伝える重要さを学び直しました
▼また、理系の元教員として興味を持ったのは、「私たちの地球では夜空はなぜ暗いのか」という命題と思考実験です。解は「遠くの銀河ほど地球から早く遠ざかっているから」、つまりは「宇宙に始まりがあったから」のようです。詳しくは「オルバースのパラドックス」をご覧ください。
▼もう一点、人生の中で選択を迫られたときには「迷ったら楽しそうな方を選ぶ」という大栗博士の姿勢にも感銘を受けました。ひょっとすると「楽しそうな方が良いに決まってるじゃん」「当たり前じゃん」と思われる方が多いかもしれません。しかし、私の経験上、選択を迫られた場合の楽しそうな方はリスクの大きそうな方であることが多いです。そして、楽しそうでもリスクの大きそうな方を選択するには、大きな勇気が必要ですす。安全とか安定とかが頭をよぎるわけです。楽な方と楽しそうな方、同じ「楽」の字でもかなり違いますね。
▼終了後は、私たち昭和49年卒が集まって卒後50年記念同窓会を開きました。私たちは創立100周年の卒業生なので、今回の150周年は卒後50周年に当たるのです。関東や関西から集まってきた同級生たちと大いに盛り上がりました。次は古希の会かな。
▼まったく関係のない話ですが、ネットにはこんなニュースが流れています。
「周回遅れの対応」「イベント会社へのバラマキやな」…政府「教員不足対策に5億円」に現場は呆然

記念祝賀会開会前の様子(都ホテル)

記念講演会で特に印象に残ったスライド
講師は昭和55年卒の大栗博司博士

大栗博司博士の現在の職(専門は理論物理学、特に素粒子論)
米国 カリフォルニア工科大学 フレッド・カブリ 冠教授
理論物理学研究所 所長
東京大学 カブリ数物連携宇宙研究機構 教授(今月まで機構長)
米国 コロラド州 アスペン物理学センター 理事長
米国 サイモンズ財団 サイモンズ・インベスティゲーター