62教員の休日まとめ取り法案

この法案は2019/12/4に国会で可決成立しました。今後は、先生への残業代未払いへの対応を丸投げされた各都道府県教育委員会の動きに注目!

文部科学省から「教員定額働かせ放題法」とも揶揄される「給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)」の改正案が今国会へ提出されています。改正案(下の画像参照)のポイントは(1)一年単位の変形労働時間制の適用(夏休み等に休日をまとめて取る)(2)業務量の適切な管理等に関する指針の策定です。本当に教員の働き方改革につながるのか、ただ形を整えただけで何も変わらない(対策をしたというポーズだけ)のか、国会審議の行方を注視しています。

萩生田文部科学大臣は、9/24の記者会見で(1)について「学校週5日制の移行期間に行われていた夏休みの休日の「まとめ取り」は教職の皆さんにとって魅力であった」と説明しています。私も平成14年より以前の「まとめ取り」経験者ですが、夏休みにも、補習補充授業や校内会議、出張(会議や研修)、部活動(大会や練習)、授業準備の夏休み明けのためのやり貯め等がありました。そのため「まとめ取り」の休日でも働かなければならない日が多く、周囲にも「まとめ取り」で休める日がないという訴えが多かったです。いわゆる「まとめ取り」の形骸化です。現在はどうかというと、教室冷房の充実、授業時間確保から夏休みが短くなり、しかも、4日間の夏季特別休暇(一般にはお盆休暇)もあるので、以前より夏休みの勤務日は少なくなってきています。その少ない夏休みの勤務日の中で、今まで通りの会議、研修、出張、大会、授業準備等をやらなければならないので、教員は夏休みも忙しく過ごしています。このことは年休(有給休暇)取得率の低さ(年休も満足に取れない)を見れば一目瞭然です。私には、平成14年以前の「まとめ取り」と同じことが繰り返されるような、歴史に学ばないような施策だと思えてなりません

また、10/18の記者会見で(2)について「上限ガイドラインを法的根拠のある「指針」へ格上げする」と説明しています。「上限ガイドライン」の「上限」とは勤務時間の上限なのでしょうか、それとも業務量の上限なのでしょうか。拘束力も罰則規定も無いただのガイドラインなので、今回もまた掛け声だけに終わるような気がしてなりません

なお、9/24の記者会見では「一年単位の変形労働時間制は、これを導入すること自体が日々の教師の業務や勤務時間を縮減するものではありません」とも明言しています。教員多忙化の中でサービス残業で働いた時間を勤務時間にし、その時間分の残業手当を払う代わりに夏休みにその時間分だけ休めということなので、勤務時間の合計が減るわけでないことは自明です。変形労働時間制では多忙化は解消されないわけです。 (HP表示回数 10,013カウント) 《 HP開設10ヵ月程でHP表示回数 10,000 カウントを突破しました。ありがとうございます。》

給特法改正法案(文科省HPへ)

学校における働き方改革について(文科省HPへ)

【参考:学校週5日制移行期間中のまとめ取り】学校は、毎週土曜日が半日授業だったのが、平成4年頃に第2土曜が休みへ、平成7年頃に第2、4土曜日が休みへ、平成14年から全ての土曜日が休み(完全学校週5日制)へと移行してきたように記憶しています。ところが、教員を含む公務員の勤務はもっと早くから完全週休2日制(全土曜日が休日)に移行していたため、教員は、平成14年までの間、本来は休みである土曜日にも勤務し授業をしていました。その分の勤務の振替休日(代休)を夏休み等にまとめて取っていました。これが当時の「まとめ取り」です。