22 国民年金って損?

参議院選で年金制度が話題になっています。では、そもそも年金保険料を払うのは損か得かどちらでしょうか。まずは国民年金(老齢基礎年金、いわゆる年金制度の1階部分)の単純な生涯収支について調べてみました。(日本年金機構のHPによる)

  • 国民年金保険料は月16,410円で年196,920円納付します。全納付期間である20歳から60歳までの40年間の総納付額は約788万円になります。
  • 国民年金は、保険料を40年間(全期間)納付した場合には満額の年780,100円支給されます。65歳から75歳までの10年間の総支給額は約780万円になります。
  • 単純に考えると、20歳から60歳までの40年間かけて納付した約788万円を、65歳から75歳まで10年間で約780万円返してもらうことになります。
  • 国民年金は死ぬまで貰えるので、75歳以降に貰える年金分は得だといえます。(利息分はどうなるとか、リスクを背負ってその分投資したらとか、将来支給額が減額されたらとかの想定は無視し、単純な収支計算による場合)

ところで、例えば女性の平均寿命である87歳まで生きた場合の、75歳以降の年金780,100円×12年間=約936万円は誰が払ってくれるのでしょうか。実は、国が税金等を使って年金を払ってくれるのです。(国民年金保険料を払わないと税金を払っていてもこの分が貰えない。)     さらに、国民年金が幾ら貰えるかばかりに目が行きがちですが、国民年金には「保険」としてのメリットもあります。

  • 長生きに対する保障(終身年金なので100歳でも何歳でも貰える)
  • インフレに対する保障(物価や賃金の変動にあわせて支給額も変動)
  • 障害に対する保障(障がい者となった日から年金支給)
  • 死亡したときの保障(死亡した日から遺族へ年金支給)

さあ、国民年金保険料を払うのは損でしょうか、得でしょうか。